無農薬バナナから分離された菌類の病原性

概要

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フィリピンから輸入された無農薬バナナから分離された46種の菌類について,その病原性を調べた.その結果,38種が無農薬バナナ果実に対して病原性を有しており,8種は病原性が無かった.病斑はいずれも果皮に生じる茶色から黒い斑点であったが,病斑の拡大する速度は菌の種類によって異なっていた.病原性のある38種のうち,10種は無傷接種でも有傷接種と同様にバナナ果実に病斑を形成した.そのうち Lasiodiplodia theobromae, Colletotrichum gloeosporioides, Phoma exigua, Colletotrichum musae, Penicillium waksmanii, Penicillium citrinum およびAspergillus flavusは,病斑の大きさと拡大速度から無農薬バナナに対し強い病原性をもつものと判断された.有傷接種のみで病原性を現した28種のうち,Thielaviopsis paradoxa, Phomopsis sp., Fusarium oxysporum および F. verticillioides が同様に強い病原性を示した.一方,Verticillium tricorpus および Trichoderma saturnisporum と,種は未同定だがMonilia, Cylindrocarpon, Spiromyces, Oedocephalum, Oidiodendron およびAureobasidium に属する各1種は病原性を示さなかった.
2002-12-01