Glomerella cingulataによるイチョウ炭疽病
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概要
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2003年11月,東京都世田谷区でイチョウの葉に褐色の斑点を生じた後,周縁部が黄化褐変し,早期に落葉する病害が発生した.病斑上には分生子層および子嚢殻が多数観察された.これら病斑部の分生子層には,無色,単胞,円筒形,大きさ17.9〜20.4×5.1〜7.7μm (平均18.4×6.9μm)の分生子が形成され,発芽時には褐色,厚膜,棍棒状,大きさ8.9×9.6μmの付着器を形成した.子嚢殻は黒色,球形〜楕円形で,大きさ114-178μm,子嚢は無色,棍棒状,大きさ33.2〜63.8×5.1〜10.2μm(平均43.5×7.8μm)で内部に8個の子嚢胞子を形成した.子嚢胞子は,無色,単胞,円筒形〜紡錘形でやや湾曲し,大きさ12.8〜17.9×5.1〜7.7μm(平均17.1×6.4μm)であった.また得られた分離株を用い接種試験を行った結果,イチョウの葉に病原性を示した.これらの結果から本病はGlomerella cingulata (Stoneman) Spaulding & Schrank (=Colletotrichum gloeosporioides (Penzig) Penzig and Saccardo)によって引き起こされた炭疽病であることが確認された.本病をイチョウ炭疽病と呼称することを提案する.
- 樹木医学会の論文
- 2006-09-30
著者
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