マツ類の植木に発生したペスタロチア葉枯病(続報)
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概要
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1997年夏から1998年春に、茨城・岩手両県下および中国吉林省延吉市において、顕著な葉枯れを起こしていたマツ属4種1雑種、合計11標本の針葉病斑組織内から病原菌を分離し、分生子の形状と病原性を調べた。その結果、いずれもPestalotiopsis属菌(以下Ps.)によるペスタロチア葉枯病と診断した。その中でヒメコマツはPs. lespedezaeの、アカマツはPestalotia(以下Pa.) olivacea、pa. filisetulaおよびPs. populi-nigraeの、クロマツはPs. neglectaおよびPs. disseminataの新宿主であり、これらの菌はそれぞれの宿主の新病原となる。また、 Pa. olivacea, Pa. conigena., Pa. filisetulaの3種はその形態からPestalotiopsis属の種であり、それぞれ転属の手続きがとられた。なお、チョウセンゴヨウ上のPs. conigena、アカマツ上のPs. glandicolaは中国初記録である。これら11の分離菌株は、それぞれの分離樹種または近縁の樹種への付傷接種ですべて発病した。さらにチョウセンゴヨウ分離株(ps. conigena)とヒメコマツ分離株(Ps. lespedezaeとPs. glandicola)は無傷接種でも多少発病を示した。またヒメコマツからのPs. glandicolaはマツ・スギ・トウヒ・ビャクシン・イチイ属8種への付傷接種ですべて発病した。
- 樹木医学会の論文
- 1999-03-31
著者
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