ネギ黒渋病に関する研究 : II.病原菌の分類学的所属の再検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ネギ黒渋病の病原菌であるMycosphaerella属菌は, テレオモルフ(完全世代)のみを形成し, アナモルフ(不完全世代)を持たない種類であることが, 関東から北海道にかけての広い地域での圃場観察, それらの標本からの分離・培養実験, および沢田(1919)および吉井(1929)の報告に照らして, 明らかになった。従来の国内文献において, 病原菌にアナモルフ(不完全世代)の記録のあるものは, すべて類似の混発している病害の病原菌を誤認したものとの結論が得られた。わが国では黒渋病菌のテレオモルフにMycosphaerella schoenoprasi (Auerswald) Schroterの種名が用いられていたが, 世界のネギ属に寄生するMycosphaerella属菌5種との比較の結果, アナモルフを持たない2種と形態的に一致し, より古く記載された種Mycosphaerella allicina (Fries : Fries) Vestergrenと同定し, M. schoenoprasiはその異名として処理した。
- 1998-02-25
著者
-
酒井 宏
群馬県園芸試験場
-
小林 享夫
東京農業大学国際農業開発学科
-
小林 享夫
東京農業大学国際食料情報学部
-
酒井 宏
群馬県庁
-
岸 國平
東京都立立川短期大学
-
古川 聡子
首都大生命
-
白石 俊昌
群馬県庁
-
白石 俊昌
群馬県園芸試験場
-
古川 聡子
東京都立立川短期大学
-
田中 一嘉
東京農業大学国際農業開発学科
-
岸 国平
農技協
関連論文
- ラナンキュラスの菌核病(新称)
- タコノキ属植物の果実腐敗病(新称)
- Lasiodiplodia theobromaeによるカカオの果実腐敗病(新称)
- Fusarium oxysporum f. sp. tanacetiによるナツシロギク萎凋病(新称)
- Fusarium oxysporumによるナツシロギク萎凋病(新称)(関東部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- (156) Real-time PCR法によるキャベツバーティシリウム萎凋病菌の定量的検出と圃場の発病との相関解析(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (117)ピンピネラ茎腐病(新称)およびセイヨウハナシノブ葉腐病(新称)の発生(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- べロニカおよびマウンテンミントの灰色かび病(新称>の発生
- (56) EF1a領域とβ-tubulin領域を指標としたPestalotiopsis属菌の分子系統解析(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (129)リンドウ褐斑病と病原菌の所属(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (137)1本のアセビ樹に寄生していたPestalotiopsis属菌21菌株の分子系統解析(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (181)1本のアセビ樹に内生的に寄生するPestalotiopsis属菌の分類
- (11) Pestalotiopsis neglectaの飛散様式
- 異なる培養基上での Truncatella sp. の分生子果の形態
- (14) Pestalotiopsis neglectaの生産する分生子発芽抑制物質の探索 (関東部会)
- 北海道産白亜紀のキカデオイデア類生殖器官上の化石菌類
- カカオに発生したLasiodiplodia theobromae (Pat.) Griffon & Maubl.による果実腐敗病(新称)(関東部会講演要旨,平成18年度地域部会講演要旨)
- 八丈島の樹病と病原菌 : 概要と新産種(一般講演(口頭発表),第9回大会講演要旨)
- (357) ラナンキュラスに発生した菌核病(新称) (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- Fusarium dimerum Penzig var. dimerumによるアロエ株腐病(新称)(学術報告)
- (4) Haematonectria haematococca (Berk. & Broome) Samuels & Nirenberg (Anamorph: Fusarium sp.)によるアロエ輪紋病(新称)(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 無農薬バナナから分離された菌類の病原性
- フィリピンにおいて無農薬バナナおよび圃場から分離された菌類の同定
- フィリピン産無農薬バナナから分離された菌類の同定
- フィリピンにおける無農薬バナナの栽培法および収穫後の管理法と品質劣化の関係
- 無農薬バナナにおけるポストハーベスト病害の病徴とそれらに関係する菌類
- (36) フィリピン産無農薬バナナ果実の収種後病害に関連する菌類 (3) : 分離菌の病原性 (関東部会講演要旨)
- (61) Cylindrocladium pacificumによるキングサリ根腐病(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Colletotrichum dematiumによるアガパンサス炭疽病(新称)
- (11) Gibberella zeae (anamorph: Fusarium graminearum)によるホワイトレースフラワー萎凋病(新称)(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (5) 数種糸状菌によるタコノキ果実腐敗病(新称)(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- わが国におけるパッションフルーツ萎凋病(新称)の発生とその病原
- (298)パッションフルーツ萎凋病菌の諸性質及び1つの伝染経路
- わが国におけるパッションフルーツ萎凋病(新称)の発生(関東部会講演要旨)
- Colletotrichum capsiciによるブッソウゲ炭疽病
- (29)Colletotrichum capsiciによるハイビスカスとキクの炭疽病(新称)(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ナス褐色斑点病の薬剤による防除
- オガサワラグワの斑点性落葉被害に関与する3種の菌類(一般講演(口頭発表),第7回大会講演要旨)
- マツ類の植木に発生したペスタロチア葉枯病(続報)(一般講演(口頭発表),第3回大会講演要旨)
- マツ類の植木に発生したペスタロチア葉枯病(続報)
- マツ類およびアカエゾマツの植木に発生したぺスタロチア葉枯病
- (105)Colletotrichum属菌の大型胞子種によるグミ炭疽病(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 未制御で凍結した糸状菌類の液体窒素気相中での保存
- (436) Fusarium dimerumによるアロエ株腐病(新称)
- (42)Fusarium proliferatum (Matsushima) Nirenberg var. minus Nirenbergによるアロエの新病害,紫斑病(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (18) ビワの灰斑病に関与する病原菌について (日本植物病理大会)
- (11) 千葉県の無農薬管理芝草圃場におけるベントグラス紅色雪腐病の発生 (夏季関東部会)
- (10) 無雪地におけるベントグラス紅色雪腐病の発生 (夏季関東部会)
- 多犯性植物病原菌 : 炭疽病菌の数種落葉広葉樹の葉上におけるミクロフロラ(第5回大会ポスター発表要旨)
- (352) ビワの新しい果実腐敗, 黒腐病(1)Lasiodiplodia theobromae (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (423) Colletotrichum capsiciによるピーマン炭疽病(病原菌追加)
- 日本産モモ枝折病菌の再同定
- (116)リュウキュウマツ漏脂胴枯病患部に子実体を作るCosmospora属菌とそのアナモルフ(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (116)わが国におけるNeonectria castaneicolaおよびN. rugulosaの発生とその分類(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (46)Neonectria castaneicolaによるシラベとウリカエデのがんしゅ性病害
- インドネシアの薬用植物アンタワリ(ツヅラフジ科)の白かび斑点病(新称)
- インドネシアにおけるカポック褐斑病
- インドネシアにおけるブーゲンビレア円星病
- インドネシアにおけるラミー角斑病
- (24) チョウジに関係する Phyllosticta 属菌の種類 (関東部会)
- (109) インドネシアにおける工芸作物病害調査 (3) (日本植物病理大会)
- (210) インドネシアにおけるシナニッケイ黒すじ(条)細菌病 (Bacterial vein blight : 新称)とショウガ青枯病の病原細菌 (日本植物病理学会大会)
- (5) インドネシアにおける工芸作物病害調査 (日本植物病理学会大会)
- (8) インドネシアにおける工芸作物病害調査 : 第1報 (夏季関東部会)
- リンゴ炭疸病菌 Colletotrichum acutatum の群馬県における分布
- (29) 日本産各種ウリ科植物つる枯病菌(Didymella bryoniae)の不完全世代の所属と性質(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 沖永良部島の樹木病害と病原菌
- 与論島の樹木病害と病原菌(2)
- 与論島の樹木病害と病原菌(1)
- (9) Stagonospora sp.によるキク首垂病(新称)(関東部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- 与論・沖永良部両島の樹木病害調査より : 分布特性と2,3新産種(一般講演(口頭発表),第8回大会講演要旨)
- マサキ褐紋病菌の所属の再検討と病原性の確認
- 赤衣病菌(Erythricium salmonicolor)担子胞子の人工形成(一般講演(口頭発表),第3回大会講演要旨)
- 赤衣病菌(Erythricium salmonicolor)担子胞子の人工形成
- ミムラスの灰色かび病(新称)
- カナムグラ褐斑病の病原学的研究 (I) : 病徴,病原性,分生子の発芽条件および病原菌の所属
- ヒペリカムさび病菌 Melampsora hypericorum の新宿主植物
- ダイコンのバーティシリウム黒点病に対する抵抗性の品種間差異
- 消毒液自動噴霧ハサミによるトマトかいよう病の防除
- カーバムナトリウム塩液剤のドーム型被覆内散布処理によるホウレンソウ萎凋病の防除
- カーバムナトリウム塩液剤の灌水散布処理によるホウレンソウ萎凋病の防除
- 日本産キャベツのバーティシリウム萎凋病抵抗性素材
- カナムグラ褐斑病の病原学的研究(II) : 生活史, 菌叢の培養特性および分生子と菌叢の薬剤に対する感受性
- モモ,ニホンナシ,リンゴから分離されたホモプシス属菌の分生子の形態,病原性および培養特性
- (275) カナムグラ褐斑病 : 生活史,菌叢の生育および薬剤耐性
- ネギ黒渋病に関する研究 : I.本病の発生状況と病原菌の生理
- Glomerella cingulataによるヤブラン炭痕病-病原追加
- ピラカンサ褐斑病の病原学的研究
- 小笠原・母島産植物寄生菌類ノート
- ダイコンバーティシリウム黒点病の発病に及ぼすキタネグサレセンチュウの影響
- 群馬県におけるキャベツバーティシリウム萎凋病の発生実態
- キャベツから分離した Verticillium longisporum および Verticillium dahliae の各種作物に対する病原性
- ネギ黒渋病に関する研究 : II.病原菌の分類学的所属の再検討
- Pestalotiopsis populi-nigrae (Sawada et Ito) Moreletによるバラの新病害, ペスタロチア病
- (12) カナムグラ褐斑病 : 病状・病原性および分生子の発芽生理 (関東部会)
- 徳之島の樹木病害と病原菌類--1993年と2003年の調査結果のまとめ
- (27) Cercospora guatemalensisによるバジル(メボウキ)円斑病(新称) (関東部会講演要旨)
- (12) ネギ黒渋病に関する研究 : (3) 病原性および病原菌の所属 (日本植物病理大会)
- Botryotinia fuckeliana (de Bary) Whetzel によるヤマイモの新病害, 灰色かび病
- マサキ褐紋病菌の所属の再検討と病原性の確認