高速ジョセフソン記憶回路技術

概要

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これまでに幾つかのジョセフソンRAMが試作され, サブナノ秒のアクセス動作という高速性と数mWという低消費電力性が実証されてきた。しかし, その大部分は数%の低いビットイールドの動作に留まり, 且つアクセス動作も数十キロHzの低周波クロックで測定したものであり, ジョセフソンRAMの性能に見合ったギガHzの高周波クロックでは一度も測定評価されていない。この低いビットイールドの原因は, 設計及び製造プロセス技術が十分に確立していないことに加えて, 磁束トラップにより回路が誤動作しやすいという点にあった。また, 高周波クロックでの動作評価を行うためには, 数mΩという低インピーダンスのパワーバスに高周波の大電流を供給しなければならないという困難な問題があった。我々は, これらの問題点を解決するために, 記憶回路への磁束トラップの防止技術と, トランスを導入した記憶回路の高周波クロック動作の実証の研究を行ってきた。ここではそれらの概要と, ジョセフソン記憶回路の今後の課題と展望について述べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06