LFB超音波材料解析システムの測定再現性の改善

概要

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直線集束ビーム超音波材料解析(LFB-UMC)システムにおいて、測定精度を改善するために長期的な測定温度環境を安定化した。本システムにより測定されるV(z)曲線を解析して得られる漏洩弾性表面波(LSAW)速度(V_<LSAW>)の精度は、測定原理上、水カプラ温度の安定性に依存する。V(z)曲線測定時に用いるz軸ステージのステッピングモータ(zモータ)を駆動すると、ジュール熱だけでなく鉄損(ヒステリシス損、うず電流損)も生じるため、モータ駆動時の発熱量の方が停止時より大きくなる。そのため、zモータの停止時と駆動時の発熱量差が温度環境の擾乱となり、V_<LSAW>の測定精度を低下させている。この解決策として、zモータ停止時の励磁電流を上昇させて鉄損に相当する発熱を補い、zモータ温度を一定にする方法を提案した。その結果、10セットの測定(1セットは200回の連続したV(z)曲線測定と30分間のモータ停止から成る)において、V_<LSAW>は±0.0016%、zモータ温度は±0.134℃、カプラ温度は±0.012℃で安定した。極めて信頼性の高いシステムを実現した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-01-20