超高周波平面超音波を用いた液体の非線形パラメータの比較測定法 : 周波数掃引方式

概要

論文の詳細を見る
本報では、筆者らが開発した超高周波帯における液体の非線形パラメータを測定する比較測定法において、新しい測定方式として周波数掃引方式を提案する。これまでは、一定の周波数で、試料の音波伝搬距離に対する第2高調波の振幅の変化を測定することで非線形パラメータを決定する可変伝搬長方式を用いてきた。同様に、比較測定の原理に基づき、速度分散のない試料に対しては、伝搬距離を固定して、周波数に対する第2高調波の振幅の変化を測定することで非線形パラメータを決定する周波数掃引方式が考えられる。本方式は、伝搬距離を自由に変えられない生体組織あるいは固体試料の非線形パラメータの測定へ適用が期待される。水、糖類水溶液に対して、周波数掃引方式のデモンストレーションを行ったところ、適切な伝搬距離で測定を行うことにより、非線形パラメータを測定することができた。周波数掃引方式により測定する場合、回折の影響を考慮して試料の音波伝搬距離を設定する必要がある。また、速度分散のある物質は、さらに速度分散の影響について検討する必要がある。
1998-11-16