オブジェクト指向によるアーキテクチャ評価シミュレータ設計手法の検討

概要

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オブジェクト指向とは、対象を"もの(=オブジェクト)"として見なす考え方であり、複数のオブジェクトを連係させることでシステム全体を構成する設計手法をオブジェクト指向設計と呼ぶ。オブジェクト指向設計は、オブジェクトが内蔵する属性と機能の独立性を高める設計方法であるため、システムの進化に伴って生じるオブジェクト単位の変更に対して対処が容易な設計手法だと言われている。今回、我々は新プロセッサアーキテクチャのパイプラインアーキテクチャシミュレータ(PAシミュレータ)を作成するにあたり、オブジェクト指向設計手法の適用を試みた。一般に、設計途上のプロセッサアーキテクチャは、設計の変更/詳細化などにより絶えまなく変化し続ける。オブジェクト指向設計手法により、このような変化に応じて柔軟にその内部構造を進化させ続けることが可能なPAシミュレータの実現が期待される。本稿では、オブジェクト指向設計手法によるPAシミュレータ設計における3つの問題を論じ、それぞれの解決方法について報告する。
社団法人情報処理学会の論文
1996-03-06