微生物によるsugar nucleotidesの代謝に関する研究 : 第3報パン酵母(風乾菌体)による5′-GMPからのGDP-mannose, GDP, GTPの生成

概要

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本論文においてGDP-mannose, GDPおよびGTPを5′-GMPから好収率で調製する方法が報告された.すなわち高濃度リン酸(360μmoles/ml)およびMgSO_4(20μmoles/ml)の存在下でパン酵母の風乾菌体(100mg/ml)を5′-GMP(20μmoles/ml)とD-glucose(800μmoles/ml)と共に振とう条件下で反応させると, 著量のGDP-mannose(5′-GMPに対する最高収率 : 約45%), GDP, GTP(GDP+GTPとして5′-GMPに対する最高収率 : 80%)が蓄積した.19.8gのGMP-Na_2を含む反応液2000mlからイオン交換クロマトグラフィー, 活性炭吸脱着の処理によって, 7.2gのGDP-mannose, 1.5gのGTPおよび3.1gのGTPをアンモニウム塩として単離した.GDP-mannoseはペーパークロマトグラフィー, UVスペクトル, NMRスペクトル, sugar moietyの分析(糖のフェニルヒドラゾンのIRスペクトルおよびペーパークロマトグラフィー), リン酸含量の分析によって同定した.またGDP, GTPはペーパークロマトグラフィー, UVスペクトル, リン酸含量の分析から同定した.また典型的なGMPからのGDP-mannose, GDP, GTPの生成の経時的変化の一例を示した.
社団法人日本生物工学会の論文
1969-09-25