悪性卵巣腫瘍診断におけるLiving Cytology

元データ 1983-07-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

腹水細胞診,腹腔内洗條液細胞診の判定において,異型中皮細胞は悪性細胞との鑑別がしばしば困難であるが,これまで主として細胞形態や特殊染色による鑑別法が検討されてきた.本研究では新しいMonif et al.の培養法による鑑別法としてのliving cytologyを自験例について検索した結果を報告する.対象は腹水を有する卵巣癌の症例13例である.採取した20〜30mlの腹水を短期間培養に供し,連日観察すると中皮細胞は線維芽細胞様に形態変化し,癌細胞は特有の集塊を形成するので相互の区別は容易となる.癌細胞の集塊出現を陽性と判定し,この結果を腹水細胞診,卵巣癌組織培養成績と比較検討した.13例のliving cytologyの結果は腹水細胞診の結果と一致しているが,中皮細胞と癌細胞の区別はliving cytologyにおいて明確であった.またliving cytologyにおける培養癌細胞の形態は卵巣癌の組織培養法における癌細胞と光顕的に一致していた.結論としてliving cytologyは腹水細胞診において異型甲皮細胞の存在に基づく悪性細胞診断の困難な場合に特にその意義は大きいと考えられる.

著者

井上 正樹 大阪大学医学部産科婦人科教室
斉藤 淳子 大阪大学医学部産婦人科
斎藤 淳子 大阪大学 産婦人科
上田 外幸 大阪大学医学部
倉智 敬一 大阪大学医学部産科婦人科学教室
倉智 敬一 大阪大学医学部産婦人科学教室
倉智 敬一 大阪大
山崎 正人 大阪大学医学部産婦人科学教室
上田 外幸 大阪大学医学部産科婦人科学教室
上田 外幸 大阪大・産婦人科
上田 外幸 大阪大学病院産婦人科
田中 善章 大阪大学医学部産婦人科学教室
田中 善章 大阪大学医学部産科婦人科学教室
佐藤 安子 大阪府立成人病センター婦人科
西野 照代 大阪大学医学部産婦人科
平松 恵三 平松産婦人科医院
井上 由之助 大阪大学医学部産婦人科
平松 恵三 大阪大学医学部産婦人科
佐藤 安子 大阪大学医学部産婦人科
西野 照代 大阪大学産婦人科
井上 由之助 大阪府立母子医療センター
井上 正樹 大阪大学医学部産婦人科学教室
倉地 敬一 阪府立母子保健総合医療センター産科

関連論文

▼もっと見る