子宮頚部悪性病変における血液型A, B, H, Lewis a, Lewis b抗原の発現性

元データ 1988-03-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

近年, 種々の臓器で癌化に伴う細胞表面の糖鎖抗原の変化が示唆されてきた. 我々はmonoclonal抗体を用いた酵素抗体ABC法によつて, 代表的な糖鎖抗原である血液型A, B, H, Lewis a, Lewis b抗原の発現を, 子宮頚部の胎児扁平上皮13例, 正常成人扁平上皮36例, 上皮内癌23例, 扁平上皮癌53例について調べ, 次の様な結果を得た. 1) 適合型ABH抗原は, 胎児正常扁平上皮と成人正常上皮ともに, ほぼ全症例に認めた. 2) 悪性病変では未分化な小細胞非角化癌で適合型ABH抗原すべてを消失する傾向を認めたが, 大細胞非角化癌ではA抗原のみ発現低下傾向を認めた. しかし上皮内癌と角化癌では, 適合型ABH抗原すべてについて有意な変化は認めなかつた. 3) すべての悪性病変では, 前駆物質としてのH抗原の発現増加傾向が認められた. 4) 角化癌と大細胞非角化癌ではAB抗原の不適合発現が認められた. 5) Lewis抗原も癌化に伴つて発現が低下する傾向を認めたが, Lewis a抗原は小細胞非角化癌で殆ど消失する傾向を認めたのに対し, Lewis b抗原は小細胞非角化癌であつても比較的抗原性は温存された. 以上, 子宮頚部においても癌化に伴う血液型抗原の変化が観察されたが, これらの変化と細胞生物活性との関係については今後の検討に残されている.

著者

中山 雅弘 大阪府立母子保健総合医療センター検査部
谷澤 修 大阪大
井上 正樹 大阪大
上田 外幸 卵巣腫瘍登録委員会
井上 正樹 大阪大学医学部産科婦人科教室
斉藤 淳子 大阪大学医学部産婦人科
斎藤 淳子 大阪大学 産婦人科
清水 千賀子 大阪大学医学部
清水 廣 大阪大学医学部
上田 外幸 大阪大学医学部
谷澤 修 大阪大学医学部
笹川 寿之 大阪大学医学部産婦人科
清水 廣 大阪大学医学部産科婦人科
上田 外幸 大阪大学医学部産科婦人科学教室
上田 外幸 大阪大・産婦人科
上田 外幸 大阪大学病院産婦人科
笹川 寿之 金沢大学 産婦人科
清水 千賀子 大阪大学医学部産科婦人科学教室
井上 正樹 大阪大学医学部産婦人科学教室
谷 澤修 大阪大
上田 外幸 大阪大学医学部産婦人科学教室
中山 雅弘 大阪府立母子保健総合医療センター

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