子宮癌所属リンパ節の組織像と予後

元データ 1975-03-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

癌の発生進展に対する個体の免疫能の関与は近年注目の的であり,形態学的にはリンパ節及び原発巣の構造変化がこれを表現している.即ち,リンパ節に於てはCell-mediated immunityの指標として傍皮質のリンパ球数の多少が,Humoral antibody productionの指標として胚中心の刺激程度が,Macrophage activityとしてはSinus histiocytosisが,又,原発巣については,間質リンパ球浸潤の程度が,これに相当する. 今回,110症例の子宮癌患者について,これら形態変化を観察し,リンパ節転移の有無,5年生存,臨床期などとの関連性を検索した.Cell-mediated immunityの亢進していると思われるものは,リンパ節転移は少く,5年生存率も高く,臨床期分類では軽症であつた.Sinus histiocytosisについても同様の傾向が得られたが,Humoral antibody productionについては一定の傾向は見られなかつた.原発巣リンパ球浸潤は,非転移症例に著明で,5年生存者は,転移,非転移症例共に高率にその著明なるを認めた.又,リンパ節及び原発巣は,抗人胸腺細胞家兎血清を用いる蛍光抗体法により検索されたが,成績の分析については,リンパ節及び末梢血リンパ球のPhytohemagglutininに対する反応性,或いは,癌細胞に対するCytotoxicityなどとの関連に於て,現在,検索中である.

著者

上田 外幸 大阪大学医学部
倉智 敬一 大阪大学医学部産科婦人科学教室
倉智 敬一 大阪大学医学部産婦人科学教室
山崎 正人 大阪大学医学部産婦人科学教室
早川 謙一 大阪大学医学部産科婦人科学教室
浜中 信明 大阪大学医学部産科婦人科学教室
佐藤 安子 大阪大学医学部産婦人科
吉馴 茂子 大阪厚生年金病院産婦人科
吉馴 茂子 大阪大学医学部産科婦人科学教室

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