子宮内膜の癌化に伴うLewis抗原群の変化

元データ 1988-09-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

近年, 種々の臓器で癌化に伴う細胞表面の糖鎖抗原の変化が報告されている. われわれは代表的な糖鎖抗原である Lewis抗原群の発現を胎児子宮内膜22例, 成人正常子宮内膜49例, 子宮内膜癌67例について, 酵素抗体 Avidin-Biotin-Complex(ABC)法を用いて免疫組織学的に検討し, 次の結果を得た. 内膜癌組織には, 正常組織と比較し Lewis-a, Lewis-b, Lewis-Y抗原の発現頻度の増加と Lewis-X抗原の発現頻度の低下を認めた. さらに, Lewis-b抗原の発現が Lewis-a抗原のそれより著明であることより, 癌におけるfucose転移の亢進が示唆された. さらに, 癌組織における Lewis-b抗原の発現増加はLewis-Y抗原のそれよりも著明であること, またLewis-a抗原の発現は癌組織に著明であるが, Lewis-X抗原の発現は極めて低いことより, 癌性変化としてI型糖鎖の重要性が示唆された. 胎児子宮内膜には成人正常内膜に比し, Lewis-b, Lewis-Y抗原の発現頻度の増加が認められた. また, Lewis抗原群の発現は成人正常内膜と癌組織との中間的様式を示した. これらのことより, 癌組織が糖鎖抗原の発現上からも胎児性格を有することが示された. 以上のように, 子宮内膜の癌化に伴う Lewis抗原群の変化が示されたが, その細胞生物学的な意味については今後の検討課題である.

著者

中山 雅弘 大阪府立母子保健総合医療センター検査部
井上 正樹 大阪大
上田 外幸 卵巣腫瘍登録委員会
井上 正樹 大阪大学医学部産科婦人科教室
斉藤 淳子 大阪大学医学部産婦人科
斎藤 淳子 大阪大学 産婦人科
清水 千賀子 大阪大学医学部
清水 廣 大阪大学医学部
上田 外幸 大阪大学医学部
笹川 寿之 大阪大学医学部産婦人科
谷沢 修 大阪大学医学部
清水 廣 大阪大学医学部産科婦人科
上田 外幸 大阪大学医学部産科婦人科学教室
上田 外幸 大阪大・産婦人科
上田 外幸 大阪大学病院産婦人科
笹川 寿之 金沢大学 産婦人科
清水 千賀子 大阪大学医学部産科婦人科学教室
井上 正樹 大阪大学医学部産婦人科学教室
谷沢 修 大阪大学
谷 澤修 大阪大
上田 外幸 大阪大学医学部産婦人科学教室
中山 雅弘 大阪府立母子保健総合医療センター

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