婦人科腫瘍におけるTissue Polypeptide Antigenの腫瘍マーカーとしての意義

元データ 1985-09-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

Tissue Polypeptide Antigen(TPA)の婦人科腫瘍における腫瘍マーカーとしての臨床的有用性を検討するため,各種婦人科腫瘍患者血清中のTPAをradioimmunoassay法で測定した.対象は子宮筋腫67例,子宮頚癌142例,子宮体癌31例,卵巣腫瘍良性群91例,中間群18例,悪性群67例で,さらに悪性腫瘍の47例については,経時的に測定し臨床経過を追跡した.なお対照として健常婦人147人の血清を用いた. 対照群の血清TPA値の平均は66±16U/lで,102U/lを越えるものを陽性とした.子宮頚癌患者の血清TPAの陽性率は0期で11%,I期で36%,II期で46%,III〜IV期で69%であつた.子宮体癌患者では35%が陽性を示した.卵巣腫瘍患者では,中間群で33%,悪性群I期で47%,II期で63%,III〜IV期で86%が陽性であり,悪性腫瘍患者における血清TPA値は良性腫瘍患者より高値を示し,進行期と共に陽性率の上昇を認めたが,良性卵巣腫瘍で12%,子宮筋腫で21%に陽性を認めたことは,TPAの診断的価値の限界を示している. 悪性腫瘍患者の経時的測定結果によると,腫瘍完全摘出群では血清TPA値の著明な術後低下がみられたのに反し,不完全手術群では術後一過性の低下がみられるものの,治療効果不良例では再上昇がみられた.また再発例や死亡例では血清TPAの著増が認められ,血清TPA値は治療効果あるいは病像をよく反映することが示された. 以上の結果より,TPAはスクリーニングマーカーとしては限界性を有しているが,種々の婦人科悪性腫瘍患者の臨床経過追跡のための極めて有用なマーカーであると考えられる.

著者

宮西 加寿也 市立堺病院
西崎 孝道 吹田市民病院
藤田 善子 大阪大
井上 正樹 大阪大学医学部産科婦人科教室
上田 外幸 大阪大学医学部
西野 英男 大手前病院婦人科
谷沢 修 大阪大学医学部
上田 外幸 大阪大学医学部産科婦人科学教室
上田 外幸 大阪大・産婦人科
上田 外幸 大阪大学病院産婦人科
光田 信明 りんくう総合医療センター市立泉佐野病院
光田 信明 大阪大
井手 辰夫 市立貝塚病院産婦人科
佐藤 安子 大阪府立成人病センター婦人科
河田 優 大阪労災病院産婦人科
井手 辰夫 貝塚市民病院産婦人科
柳田 隆穂 大阪厚生年金病院産婦人科
佐藤 安子 大阪府立成人病センター
阿部 良人 大阪大学産婦人科
尾崎 公巳 大阪府立成人病センター婦人科
阿部 良人 大阪大学医学部産婦人科
尾崎 公巳 大阪府立成人病センター
藤田 善子 大阪大学医学部産婦人科
井上 由之助 大阪大学医学部産婦人科
南川 淳之祐 箕面市立病院産婦人科
山田 隆子 箕面市立病院産婦人科
大橋 一友 箕面市立病院産婦人科
西崎 孝道 大阪厚生年金病院産婦人科
段 明〓 大阪府立病院産婦人科
蒲生 善久 大阪府立病院産婦人科
西野 英男 大阪大手前病院産婦人科
宮西 加寿也 大阪大手前病院産婦人科
光田 信明 市立貝塚病院産婦人科
安部 良人 大阪大学医学部産婦人科学教室
井上 由之助 大阪府立母子医療センター
南川 淳之祐 箕面市立病院
井上 正樹 大阪大学医学部産婦人科学教室
谷沢 修 大阪大学
上田 外幸 大阪大学医学部産婦人科学教室
山田 隆子 箕面市立病院
南川 淳之佑 大阪大
西崎 孝道 大阪厚生年金病院

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