婦人科腫瘍におけるSialyl Tn抗原測定の意義

元データ 1990-11-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

各種腺癌に特異性が高いとされる Sialyl Tn抗原の婦人科領域における臨床的有用性を検討するため, 各種婦人科腫瘍患者および健常婦人血清中の本抗原を「STNオーツカ」キットを用いて測定した. 卵巣腫瘍については, 腫瘍内容液中の本抗原も同様に測定した. さらに, 本抗原陽性例について治療による値の変動を追跡し, 以下の結果を得た. 1) 健常女性の平均値は24.1±8.0u/ml (cut-off値・40u/ml) であった. 2) 子宮筋腫, 子宮体部癌, 子宮頚部癌および卵巣良性腫瘍患者においては, 臨床的有用性は認め難い. 3) 悪性卵巣腫瘍患者では, 臨床進行期の進展に伴って陽性率は上昇し, III期では22例中15例 (68%) が陽性を示した. 4) 卵巣腫瘍内容液の測定では, 良性群で陽性例はなく, 悪性群では15例中12例 (80%) が陽性を示した. 5) 治療前に高値を示した悪性卵巣腫瘍患者の術後の血中本抗原値は全例低下を示し, 再発例では上昇を認めた. 以上の結果より, Sialyl Tn 抗原は悪性卵巣腫瘍の臨床像をよく反映することから, その follow up に有用なマーカーとなりうると考えられた.

著者

谷澤 修 大阪大
井上 正樹 大阪大
上田 外幸 卵巣腫瘍登録委員会
井上 正樹 大阪大学医学部産科婦人科教室
清水 千賀子 大阪大学医学部
上田 外幸 大阪大学医学部
谷澤 修 大阪大学医学部
谷沢 修 大阪大学医学部
上田 外幸 大阪大学医学部産科婦人科学教室
上田 外幸 大阪大・産婦人科
上田 外幸 大阪大学病院産婦人科
清水 千賀子 大阪大学医学部産科婦人科学教室
小川 晴幾 大阪大学医学部産婦人科
小川 晴幾 大阪大学医学部産科婦人科学教室
井上 正樹 大阪大学医学部産婦人科学教室
佐治 末文隆 大阪大医
谷 澤修 大阪大
上田 外幸 大阪大学医学部産婦人科学教室

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