婦人科腫瘍患者におけるTissue Polypeptide Antigen(TPA)測定の意義

元データ 1984-05-01 社団法人日本産科婦人科学会

概要

Tissuepolypeptideantigen(TPA)の婦人科腫瘍における腫瘍マーカーとしての意義を検討するため,各種婦人科腫瘍愚老血清中のTPAをradioimmunoassay法で測定した.対象は子宮筋腫40例,子宮頚部扁平上皮内癌(0期)23例,子宮頚癌71例,子宮体癌21例,外陰癌3例,卵巣腫瘤良性群51例,中間群18例,悪性群60例で,対照として健康成人97人の血清を用いた.対照群のTPA値の平均は68±17U/lで,107U/lを越えるものを陽性とした.愚老血清TPAの平均値,陽性率は子宮筋腫で82±25U/l20%,子宮頚癌0期で81±19U/l17%,I期で98±27U/136%,II期で111±39U//43%,III〜IV期で149±64U/l 75%で,対照群より有意に高かった.I期癌は子宮筋腫,0期癌と有意差はなかったが,II期癌はこれらと有意差が認められた.III〜IV期ではさらにII期癌より有意に高値をとり,陽性率も臨床期が進むほど上昇した.子宮体癌は子宮筋腫より有意に高く,平均値は109±56U/lを示した.外陰癌は3例中1例がTPA陽性を示した.卵巣腫瘍に関しては,良性群は平均値82±33U/l,陽性率14%で対照群より高値を示した.中問群は88±30U/lで,対照群より有意に高いが,良性群との有意差はなかった.しかし,良性群の14%より申聞群の28%と上昇した.悪性群においては,I期128±78U/l,II期148±109U/l,III〜IV期247±182U/lで,I期は良性群、中問群より有意に高値であった.II期はI期と有意差なかったが,陽性率はI期47%,n期67%と上昇した.III〜IV期は極めて高値を示し,陽性率も82%に達した.血清TPA値と組織型とは無関係であった.血清TPAの測定は腫瘍マーカーとして,特に早期診断の困難な悪性卵巣腫瘍に対する有用な補助診断法の一つと考えられる.

著者

井上 正樹 大阪大学医学部産科婦人科教室
上田 外幸 大阪大学医学部
西野 英男 大手前病院婦人科
山崎 正人 大阪大学医学部産婦人科学教室
上田 外幸 大阪大学医学部産科婦人科学教室
上田 外幸 大阪大・産婦人科
上田 外幸 大阪大学病院産婦人科
田中 善章 大阪大学医学部産婦人科学教室
井手 辰夫 市立貝塚病院産婦人科
田中 善章 大阪大学医学部産科婦人科学教室
河田 優 大阪労災病院産婦人科
井手 辰夫 貝塚市民病院産婦人科
柳田 隆穂 大阪厚生年金病院産婦人科
山崎 正人 国立呉病院
尾崎 公巳 大阪府立成人病センター婦人科
尾崎 公巳 大阪府立成人病センター
平松 恵三 平松産婦人科医院
井上 由之助 大阪大学医学部産婦人科
平松 恵三 大阪大学医学部産婦人科
南川 淳之祐 箕面市民病院産婦人科
井上 由之助 大阪府立母子医療センター
南川 淳之祐 箕面市立病院
井上 正樹 大阪大学医学部産婦人科学教室
西野 英男 大手前病院
南川 淳之佑 大阪大
山崎 正人 国立呉病院産婦人科

関連論文

▼もっと見る