ヨトウガ中腸上皮細胞における diflubenzuron の UDP-N-acetylglucosamine の膜透過阻害
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概要
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ヨトウガ終齢幼虫の中腸を^<14>C-N-アセチルグルコサミン(^<14>C-AGA)存在下で培養すると, 組織中に^<14>C-UDP-N-アセチルグルコサミン(^<14>C-UDP-AGA)が生成され, diflubenzuron存在下ではcontrolに比して約1.7倍量の蓄積が認められた.膜の主要成分であるリン脂質の生成についても, diflubenzuronは量的, 質的に何らの影響をもたらさなかった.中腸を裏返し両端を結紮して, ^<14>C-AGA存在下で培養したのち, 培養液中および組織中に含まれる^<14>C-UDP-AGA, 生成されるキチンを別々に定量した結果, diflubezuron存在下では, 組織中に^<14>C-UDP-AGAが多く蓄積し, 細胞内から細胞外へ出てくる^<14>Cの量はcontrolに比して減少することが認められた.以上の結果より, diflubenzuronの作用機構は, 細胞内で生成されたUDP-AGAの細胞膜透過阻害であろうと考えられる.
- 日本農薬学会の論文
- 1985-02-20
著者
-
山口 勇
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
-
山口 勇
日本農薬学会
-
満井 喬
理研
-
満井 喬
The Institute of Physical and Chemical Research
-
多田 満
The University of Tokyo
-
多田 満
The Institute of Physical and Chemical Research
-
信沢 智恵子
The Institute of Physical and Chemical Research
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