Rhizoctonia solani のプロトプラストの浸透圧耐性に及ぼすペンシクロンの影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ペンシクロンはきわめて作用特異性の高い薬剤で, Rhizoctonia solaniの同一菌糸融合群(AG4)に対してもその作用に顕著な差異が認められる.菌糸融合群4に属するR-C株(ペンシクロン感受性)およびRh-131株(同薬剤非感受性)を選び, 病原菌の細胞膜強度に及ぼすペンシクロンの影響を検討したところ, R-Cではプロトプラストからのコロニー再生率が薬剤存在下での低浸透圧処理により対照区(低浸透圧処理のみ)に比べて有意に減少した.しかし, 薬剤を洗浄後, 低浸透圧処理すると対照区と同等なコロニーの再生率を示した.一方, Rh-131ではプロトプラストからの再生率は低浸透圧処理により減少するが, ペンシクロン存在下におけるコロニーの形成は逆に促進されるような結果が得られた.ペンシクロン処理直後の短時間の間の薬剤の細胞膜に及ぼす影響をプロトプラスト懸濁液の吸光度の変化を測定して調べたところ, R-Cのプロトプラスト懸濁液に薬剤存在下で低浸透圧処理すると懸濁液の吸光度は顕著に減少したが, Rh-131のプロトプラスト懸濁液での低浸透圧処理の効果はペンシクロンの存在によって有意な影響を受けなかった.これらの結果からペンシクロンは感受性菌の細胞膜に特異的に影響を与えることが示唆された.
- 日本農薬学会の論文
- 1996-05-20
著者
-
山口 勇
理研・植物科学センター
-
鎌倉 高志
東京理科大理工
-
金 興泰
Graduate School of Science and Engineering, Saitama University
-
山口 勇
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
-
金 興泰
埼玉大学大学院
-
山口 勇
理化学研究所植物科学研究センター・環境植物研究グループ
-
鎌倉 高志
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
関連論文
- D405 イネのCDF金属トランスポーターの機能解析
- 埼玉県で見つかったイワゼニゴケ
- 3-Chloro-1-methyl-1H-pyrazole-5-carboxylic acid によるイネ白葉枯病抵抗性の誘導
- B-11 Pseudomonas syringae各病原型におけるタブトキシン耐性(ttr)遺伝子ホモログの解析(遺伝子解析,口頭発表)
- 殺菌剤ブラストサイジンSを選抜薬剤として用いるイネの効率的形質転換(実験技術紹介 読物企画)
- A412 マイコトキシン耐性・分解遺伝子を導入したトランスジェニック穀類の作出と解析
- A411 ゼアラレノン分解酵素の単離・クローニング・解析と、その応用
- (19)Fusarium oxysporumの組織内伸展に及ぼすグルタミン・グルコースの影響(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 新規マクロライド抗生物質RS-22A,B,Cの単離と構造 : 有機化学・天然物化学
- (10)イネいもち病菌におけるLPL1遺伝子の機能解析(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (87)イネいもち病菌の付着器形成過程において特異的に発現する遺伝子の探索(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (86)GFPを用いたイネいもち病菌の付着器形成誘導に関連する遺伝子CBP1の発現状況の検討(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (31)感染初期過程で高発現しているイネいもち病菌遺伝子A26の付着器形成に及ぼす影響(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネいもち病菌発芽管で高発現している遺伝子A26の付着器形成に及ぼす影響(関東部会講演要旨)
- (47)イネいもち病菌の付着器形成誘導に関連する遺伝子CBP1の表面認識への寄与
- B205 Aspergillus terreus 由来 blasticidin S deaminase (BSD) の C 末端の flexible な領域の 5 残基は、基質の呼び込みおよび反応効率の向上に大きく貢献している
- (239)日本の圃場における灰色かび病菌のジカルボキシイミド圃場耐性変異(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (395)PCR-RFLPによる灰色かび病菌のジカルボキシイミド圃場耐性の検出(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- B218 除草剤等を利用した形質転換タバコのポリエステル生合成の調節
- (201) N-シアノメチル-2-クロロイソニコチン酸アミドのイネいもち病防除効果の葉鞘接種による検討 (平成2年度大会講演要旨)
- (37) N-アルキル-2-クロロイソニコチン酸アミド誘導体のイネいもち病防除効果 (秋季関東部会講演要旨)
- (203) N-フェニルスルホニルピリジンカルボキサミド誘導体のイネいもち病に対する作用特性 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (123) ピリジンカルボン酸アミド系化合物のイネ白葉枯病に対する作用特性とイネ体中での挙動 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (11) イネいもち病菌における付着器形成機構 : 付着器形成に関与する基質表面の物理化学的素因について (日本植物病理学会大会)
- C106 コーラルと薬剤の同時施用によるハクサイ根こぶ病の防除効果について
- B201 グリホサートの葉面透過に及ぼす塩の種類及び界面活性剤の影響
- (81)イネいもち病菌のヒスチジンキナーゼ遺伝子の機能解析(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- C224 有機リン剤抵抗性イエバエにおける GST 遺伝子の重複とその構造解析
- B105 ピロールニトリンは糸状菌の浸透圧シグナル伝達系に作用する
- C216 N. crassa のジカルボキシイミド耐性 os-4 遺伝子は MAPKKK をコードする
- B204 Candida albicans のジカルボキシイミド感受性とグリセロール蓄積誘導
- 6 イネの病害抵抗性にブラシノステロイドが及ぼす効果に関する研究
- B205 ランの株枯病原菌 Nectria haematococca が産生するジベレリン様物質の単離・同定
- (136) イネいもち病菌ゲノム DNA の RFLP 解析 : 1.レース間差異を反映した RFLP プローブの検索 (日本植物病理学会大会)
- 灰色かび病菌による各種物質の取込みおよび高分子生合成に及ぼすメパニピリムの影響
- B105 メパニピリム (KUF-6201) の作用機構に関する研究 (3)
- (86) Gibberella fujikuroi交配型のPCR法による識別 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (104)Phoma glomerataが産生するエポキシドンによるアブラナ科野菜根こぶ病発病抑制効果(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 4-Allyl-2-azetidinone と Penicillium simplicissimum による土壌伝染性フザリウム病の発病抑制
- アブラナ科野菜根こぶ病に対して発病抑制効果を示す糸状菌の分離と有効成分エポキシドンの精製
- (290)キウイフルーツかいよう病菌によるファゼオロトキシン産生とその役割(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- MBI-D耐性いもち病菌打破化合物の研究 : MBI-D殺菌剤誘導体からの有効化合物の探索
- 阻害剤耐性をもつイネいもち病菌シタロン脱水酵素の結晶構造解析
- (234) 蛍光ハイブリプローブをもちいた灰色かび病菌のジカルボキシイミドおよびベンズイミダゾール耐性の複数変異の同時検出(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 殺菌剤の作用機構に関する最近の話題
- A102 アカパンカビのcAMPシグナル伝達系の変異とジカルボキシイミド感受性
- A101 アカパンカビのfludioxonilにより誘導される遺伝子の同定と各種ストレスとの関係
- (235)灰色かび病菌のフェンヘキサミド感受性とステロール合成遺伝子の多型解析(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- C102 アカパンカビのヒスチジンキナーゼ遺伝子破壊株の作製とその形質の解析
- C101 アカパンカビのジカルボキシイミド誘導遺伝子のリアルタイム定量PCR解析
- C318 付着器メラニン化を指標としたイネいもち病菌のフサライドに対する感受性
- 殺菌剤ペンシクロンのRhizoctonia solani における特異的作用機構 - Rhizoctonia solani の脂質膜流動性に及ぼすペンシクロンの影響 -
- (202) Pseudomonas syringae pv. "spinaciae"のコロナチン非産生変異株のホウレンソウに対する病原性 (日本植物病理学会大会)
- (48) イネいもち病菌における付着器形成機構 : 付着器形成に関与する Proteo-heteroglycan について (関東部会)
- B107 ペンシクロンの Rhizoctonia solani における作用機構 (3)
- B106 ペンシクロンの Rhizoctonia solani における作用機構 (2)
- バリダマイシンAおよびその活性本体バリドキシルアミンAの茎葉散布によるトマト萎凋病の発病抑制効果について(関東部会講演要旨)
- (218) イネもみ枯細菌病菌へのTn挿入による病原性およびトキソフラビン生産性の欠失変異株について (日本植物病理大会)
- 6. イネ病害抵抗性にブラシノステロイドが及ぼす効果に関する研究(第35回大会研究発表抄録)
- コムギ赤かび病抵抗性に関する研究 : I. コムギ出穂期に発現しているタンパク質の解析
- 植物バイオテクノロジーと環境
- 病害抵抗性をもった植物を作れるか?-膜受容体キナーゼのエンジニアリング
- A206 イネ葉細胞の形質膜標品における GTP アーゼ活性に関する研究
- Fusarium oxysporumの植物組織中におけるエンドポリガラクツロナーゼの分泌の免疫学的観察と本酵素をコードする遺伝子の単離
- 農業用抗生物質ブラストサイジンS不活化酵素の発見とその遺伝子の利用
- (154) Bacillus subtilisの生産する抗糸状菌物質 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- プラスミン阻害活性を有するフラバノール系高度縮合型タンニンに関する研究(有機化学・天然物化学-生理活性物質(動物・その他)-)
- A-5 中国産の一放線菌の生産する新抗生物質blebomycinおよびxanthostatinに関する研究(一般講演)(日本農芸化学会昭和61年度関東支部大会報告)
- (132) 数種抗植物ウイルス物質のタバコ葉単細胞に対する作用について (昭和45年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- B103 病害抵抗性を誘導するピラゾール誘導体の作用機構に関する研究
- (149)レモン果皮中のPenicillium digitatum感染促進物質(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- モノクローナル抗体を用いた植物組織内のフザリウム菌検出法
- Fusarium oxysporum 860926aを抗原としたモノクローナル抗体の作製とその性状
- (133) モノクローナル抗体を用いた Fusalium罹病トマト苗の簡易検定法について (日本植物病理学会大会)
- 新しい免疫学的手法, gel penetrate-blotted immuno-binding assay による土壌中の Fusarium spp. の検出
- (92) 免疫学的手法によるフザリウム病の圃場検診について (日本植物病理大会)
- (26) 免疫学的手法によるFusarium oxysporumの土壌からの検出 (秋季関東部会)
- (25) Fusarium oxysporum菌糸磨砕物に対するモノクローナル抗体API9-2の抗原解析 (秋季関東部会)
- (187) Fusarium oxysporum f.sp.lycopersici race J2 880621a-1 に対するモノクローナル抗体の反応性状について (日本植物病理学会大会)
- (13) イチゴ炭そ病菌 (Colletotrichum fragariae)に対する抗体作製と寄手からの検出の試み (夏季関東部会)
- (132) モノクローナル抗体を用いた蛍光抗体法による植物組織内の Fusarium oxysporum 菌体の検出について (日本植物病理学会大会)
- (36) ミツバ株枯病菌 (Fusarium oxysporum No. 860926a) に対するモノクローナル抗体について (夏季関東部会)
- (173) Penicillium simplicissimum No.8 および B-143 によるフザリウム病発病抑制効果について (日本植物病理学会大会)
- (20)レモン果皮罹病部に新たに生成されるP. digitatum感染促進物質(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- A107 プロピレングリコール脂肪酸エステルを用いたハダニ類防除剤の開発
- (16) レモン果皮付傷部からのPenicillium digitatumの感染における果皮組織の役割 (関東部会)
- (48)イネいもち病菌Magnaporthe griseaのセリンプロテアーゼ遺伝子の取得
- いもち病菌感染の分子機構
- イネいもち病菌の付着器形成に関与する遺伝子の構造解析と機能推定(2)
- I307 イエバエにおけるGST活性の異常性差に関する分子生物学的研究(毒物学・殺虫剤作用機作・抵抗性)
- (84) イネいもち病菌の付着器形成に関与する遺伝子の構造解析と機能推定(1) (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (179) フタラジン系化合物のイネいもち病菌に対する効果といもち病防除活性 (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (239) N-p-fluorophenyl-2. 3-dichloromaleimideの作用機作に関する研究(2) : イネいもち病菌の代謝系に及ぼす影響 (昭和49年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (238) N-p-fluorophenyl-2. 3-dichloromaleimideの作用機作に関する研究(1) : イネいもち病菌のlife cycleに及ぼす影響 (昭和49年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Blasticidin S耐性遺伝子bsrの多宿主薬剤耐性マーカーとしての応用(微生物-遺伝子(構造, 発現, 制御)-)
- 病害抵抗性付与剤によるイネ葉細胞形質標品 GTP アーゼ活性の亢進
- イネ形質膜標品におけるGTPase活性に及ぼすプライミング剤の影響
- (127) Fusarium oxysporum f. sp. lycopersiciの侵入を促進するトマトの成分
- (60) トマト萎ちょう病菌 (Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici race 2, 880621a-1) の弱病原性変異株の作出とその性状について (日本植物病理学会大会)
- (59) トマト萎ちょう病菌 (Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici, 880621a-1) のトマト60品種に対する病原性について (日本植物病理学会大会)