植物葉の濡れの評価
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概要
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植物葉の濡れ状態を定量的に評価するため, 葉浸漬法を検討した.Direct Fast Scarlet 4BS 1.0%と界面活性剤0.2%を含有する浸漬液(表面張力 : 21.5∿63.5mNm^<-1>)の葉表面の付着形状を6タイプ(A-E, O)に分類した.連続的薄膜付着(A-1)を形成する浸漬液を用いて, 葉表面の付着量分布を測定すると, 浸漬深がイネ葉で10cm, ダイズ・ササゲ等の葉で5cm以上で付着量(μl/cm^2)一定の領域(Up-2領域)が出現し, この領域に葉表面に個有の付着が生じ, また, 葉先端に生ずる浸漬液の滞留は葉先端の形状に影響され, 付着量分布の一要因になるものと考えられた.8科23種の作物葉のUp-2領域と全葉の付着量を測定すると, Up-2付着量は約0.6∿1.1μl/cm^2の狭い範囲に集中したが, 全葉付着量では, 科に特徴的な付着量を示すもの(ウリ・アブラナおよびアオイ科)を科内で変動するもの(イネ・マメおよびナス科)などが認められた.本葉浸漬法によって葉表面の個有の濡れ状態を溶液と葉表面の相互作用の結果として評価することが可能である.
- 1991-08-20
著者
-
山口 勇
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
-
山口 勇
Riken (the Institute Of Physical And Chemical Research) And Riken Plant Science Center
-
渡部 忠一
アグロカネショウ(株)研究所
-
渡部 忠一
The Institute of Physical and Chemical Research
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