2-sec-Butylphenyl N-Methylcarbamate (バッサ^[○!R], BPMC)の水稲における代謝と土壌中における分解

概要

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殺虫剤, 2-sec-butylphenyl N-methylcarbamate(バッサ^[○!R], BPMC)の水稲における吸収, 移行と代謝, および土壌中における分解を, 側鎖のsec-butyl基の1位のmethyl基を^<14>Cで標識した化合物を用いて検討した.水稲では, ^<14>C-バッサは根や葉面から吸収され, 上部の生長中の部位や葉の先端に移行するがおもに, 揮散により消失して, 収穫時の残留は少なかった.稲体内に吸収されたバッサは代謝されておもに, sec-butyl基, N-methyl基および芳香環の4位が酸化を受け, 生成物はさらに, β-グルコースまたは他の物質との抱合体を生じた.主代謝物は, 2-(1-methyl 2-hydroxypropyl) phenyl N-methylcarbamateであった.土壌中では, 分解物はおもに, 2-(1-acetylethyl)phenyl N-methylcarbamate, 2-sec-butylphenylcarbamateおよび2-sec-butylphenolであった.ほかに土壌に強く結合される^<14>Cが存在し, 経時的に増加した.バッサの代謝物の生物学的評価をコリンエステラーゼの阻害度から検討した結果, 代謝物の一つである2-sec-butyl 4-hydroxyphenyl N-methylcarbamateはバッサよりも阻害が強かったが, この代謝物は水稲中では遊離形としては非常に少なく, ほとんどが抱合体として存在していた.そしておもなほかの代謝物はバッサよりも阻害が弱かった.
日本農薬学会の論文
1976-08-20