フェニル尿素系殺菌剤ペンシクロン [1-(4-chlorobenzyl)-1-cyclopentyl-3-phenylurea] のイネにおける代謝
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
出穂期のイネに葉面処理された^<14>C-ペンシクロンは葉部から徐々に浸透し(40日後で投与量の30%), 一部上方移行がみられたが, 大部分は塗布部位に保持されていた.ペンシクロンの葉での代謝・分解速度は遅く, 有機溶媒可溶の放射能の約90%は, 未変化のペンシクロンによるものであった(40日後).代謝物は量的には少なく, 個々にみた場合, 最大でも投与量の0.6%(40日後)であった.しかし種類は多く, そのうち同定されたものはベンジル基やシクロペンチル基が脱離した代謝物(IVとV), またシクロペンチル基の3位が水酸化された代謝物(XIとXII)およびその配糖体である.抽出されない結合性の放射能は, 経時的に増加して, 40日後には投与量の16.5%(回収放射能の22%)に達した.^<14>C-ペンシクロンを2回散布したイネの収穫時の玄米中の放射能は, ペンシクロン換算で0.56ppmであったが, 85%はヌカに局在しており白米には少なかった.ペンシクロンの残留量は, 玄米で0.018ppm, 白米で0.003ppmであった.穀粒中の放射能の大部分は, 結合性残留物によるものであった.
- 日本農薬学会の論文
- 1987-08-20
著者
-
山口 勇
理化学研究所横浜研究所
-
山口 勇
理研
-
見里 朝正
理化学研究所
-
見里 朝正
理研
-
黒河内 伸
日本特殊農薬製造株式会社農薬研究所
-
高瀬 巖
日本特殊農薬製造株式会社農薬研究所
-
山口 勇
理化学研究所
関連論文
- 埼玉県で見つかったイワゼニゴケ
- 3, 3′-ジメチル-4-ハイドロキシベンゾフェノンの土壌微生物 (Bacillus sp.) によるリン酸化
- 殺菌剤ブラストサイジンSを選抜薬剤として用いるイネの効率的形質転換(実験技術紹介 読物企画)
- A411 ゼアラレノン分解酵素の単離・クローニング・解析と、その応用
- (19)Fusarium oxysporumの組織内伸展に及ぼすグルタミン・グルコースの影響(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- C306 ソードテールを用いた性ホルモン暴露試験(予報)
- 新規マクロライド抗生物質RS-22A,B,Cの単離と構造 : 有機化学・天然物化学
- (10)イネいもち病菌におけるLPL1遺伝子の機能解析(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (87)イネいもち病菌の付着器形成過程において特異的に発現する遺伝子の探索(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (86)GFPを用いたイネいもち病菌の付着器形成誘導に関連する遺伝子CBP1の発現状況の検討(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (31)感染初期過程で高発現しているイネいもち病菌遺伝子A26の付着器形成に及ぼす影響(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネいもち病菌発芽管で高発現している遺伝子A26の付着器形成に及ぼす影響(関東部会講演要旨)
- B205 Aspergillus terreus 由来 blasticidin S deaminase (BSD) の C 末端の flexible な領域の 5 残基は、基質の呼び込みおよび反応効率の向上に大きく貢献している
- C122 ペンタクロロニトロベンゼンの微生物代謝に関する研究
- プロベナゾールによるイネのサリチル酸の誘導
- (239)日本の圃場における灰色かび病菌のジカルボキシイミド圃場耐性変異(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (395)PCR-RFLPによる灰色かび病菌のジカルボキシイミド圃場耐性の検出(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- フェニル尿素系殺菌剤ペンシクロン [1-(4-chlorobenzyl)-1-cyclopentyl-3-phenylurea] のイネにおける代謝
- 抗うどんこ病薬剤ミルディオマイシンのタンパク合成阻害
- メラニン生合成関連代謝物, 2-ヒドロキシジュグロンの抗いもち病菌作用
- 非殺菌性抗いもち剤のいもち病菌付着器におけるメラニン合成阻害
- 非殺菌性いもち病防除剤のいもち病菌メラニン生合成および感染過程に及ぼす影響
- 3, 3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン(メトキシフェノン, NK-049)の選択殺草機構 : 吸収, 移行および代謝について
- 3, 3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン (NK-049) によるヒエ葉白化発現機構の解明
- 2-sec-Butylphenyl N-Methylcarbamate (バッサ^[○!R], BPMC)の水稲における代謝と土壌中における分解
- N-p-フルオロフェニル-2, 3-ジクロロマレイミドのイネいもち病菌に及ぼす影響
- アミノ酸関連物質による植物病害の防除 : IV イネいもち病菌の代謝系に及ぼす sodium N-Lauroyl-L-Valinate の影響
- 3, 3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン(メトキシフェノン, NK-049)の水田土壌中および土壌微生物による代謝
- 3, 3'-Dimethyl-4-methoxybenzophenone(メトキシフェノン, NK-049)のイネ体における運命
- 3, 3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン (NK-049) のラットにおける代謝
- 水面施用した 1-Methylthiosemicarbazide のイネ体における挙動
- (13) チオセミカルバジット系化合物の植物細菌病防除効果 : (4) 出穂期のイネにおける^C-1-メチルチオセミカルバジットの挙動 (夏季関東部会講演要旨)
- B218 除草剤等を利用した形質転換タバコのポリエステル生合成の調節
- (201) N-シアノメチル-2-クロロイソニコチン酸アミドのイネいもち病防除効果の葉鞘接種による検討 (平成2年度大会講演要旨)
- (37) N-アルキル-2-クロロイソニコチン酸アミド誘導体のイネいもち病防除効果 (秋季関東部会講演要旨)
- (203) N-フェニルスルホニルピリジンカルボキサミド誘導体のイネいもち病に対する作用特性 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (123) ピリジンカルボン酸アミド系化合物のイネ白葉枯病に対する作用特性とイネ体中での挙動 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- A210 農薬の葉面クチクラ透過に及ぼす TRITON 界面活性剤の効果とその解析
- C120 農薬のピーマン果実表面クチクラ透過の挙動とその解析
- 95 Glyphosateの葉面クチクラ透過機作
- Glyphosateの葉面クチクラ透過機作
- 農薬の葉面クチクラ透過における界面活性剤の作用に関する研究(第9報) ; 透過挙動における農薬のlog Powの効果
- 農薬の葉面クチクラ透過における界面活性剤の作用に関する研究 (第8報) ; glyphosate の透過促進機作の解析
- 農薬の葉面クチクラ透過における界面活性剤の作用に関する研究 (第7報) ; 溶剤および保湿剤の作用の解析
- (11) イネいもち病菌における付着器形成機構 : 付着器形成に関与する基質表面の物理化学的素因について (日本植物病理学会大会)
- C106 コーラルと薬剤の同時施用によるハクサイ根こぶ病の防除効果について
- B202 農薬の葉面クチクラ透過における界面活性剤の作用に関する研究(第 5 報) : 透過挙動の logistic model と影響要因
- B201 グリホサートの葉面透過に及ぼす塩の種類及び界面活性剤の影響
- D209 農薬の葉面クチクラ透過における界面活性剤の作用に関する研究(第三報) : 透過挙動の logistic model
- (81)イネいもち病菌のヒスチジンキナーゼ遺伝子の機能解析(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- B115 殺菌剤 PCNB の代謝とエストロゲン様作用
- C224 有機リン剤抵抗性イエバエにおける GST 遺伝子の重複とその構造解析
- C216 N. crassa のジカルボキシイミド耐性 os-4 遺伝子は MAPKKK をコードする
- B204 Candida albicans のジカルボキシイミド感受性とグリセロール蓄積誘導
- 6 イネの病害抵抗性にブラシノステロイドが及ぼす効果に関する研究
- B205 ランの株枯病原菌 Nectria haematococca が産生するジベレリン様物質の単離・同定
- (136) イネいもち病菌ゲノム DNA の RFLP 解析 : 1.レース間差異を反映した RFLP プローブの検索 (日本植物病理学会大会)
- B105 メパニピリム (KUF-6201) の作用機構に関する研究 (3)
- (86) Gibberella fujikuroi交配型のPCR法による識別 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- D110 MBI-D剤耐性イネいもち病菌に有効な化合物の探索変異によるSDH酵素の立体構造の変化と阻害化合物の誘導
- B107 イネいもち病防除剤カルプロパミドとシタロン脱水酵素の相互作用の解析
- イネのいもち病抵抗性とエチレン生成の作用について
- C317 バリダマイシン A 茎葉散布による土壌伝染性フザリウム病の防除効果
- Burkhol-deriaglumaeによるイネ苗腐敗症の病徴発現におけるトキソフラビンの役割
- 植物バイオテクノロジーと環境
- A206 イネ葉細胞の形質膜標品における GTP アーゼ活性に関する研究
- Fusarium oxysporumの植物組織中におけるエンドポリガラクツロナーゼの分泌の免疫学的観察と本酵素をコードする遺伝子の単離
- 農業用抗生物質ブラストサイジンS不活化酵素の発見とその遺伝子の利用
- 殺菌剤の薬理学的研究技法
- (174) 新抗生物質 Aabomycin の生物活性について (昭和44年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- モノクローナル抗体を用いた植物組織内のフザリウム菌検出法
- Fusarium oxysporum 860926aを抗原としたモノクローナル抗体の作製とその性状
- A201 Penicillium digitatum の感染におけるレモン果皮成分の役割と感染制御
- 活性中心に"ふた"をする酵素
- いもち病菌感染の分子機構
- A203 イネいもち病防除剤ウィンの異性体によるシタロン脱水酵素阻害
- いもち病に対するイネの感染防御機構 病原体認識とシグナルの伝達
- 新規いもち剤WIN^ (KTU3616, carpropamid)の作用機構 第四報 Carptopamidによるシタロン脱水酵素阻害様式
- 植物(漢方)農薬の是非
- 植物の回旋運動
- トリシクラゾール薬剤の作用点と作用機構(農薬の作用点と作用機構 (2))
- ブラストサイジン S およびメトキシフェノンの代謝分解に関する研究
- Xs Antibiotics for agricultural use
- ブラストサイジンS利用の新展開 農業用抗生物質から分子生物研究用選択薬剤へ
- イネいもち病菌の付着器分化時特異的に発現するcDNAのクローニング : 微生物
- 見里朝正先生を悼む
- 第 7 回国際農薬化学会議の分析(第 7 回国際農薬化学会議)
- SYMPOSIA
- 第 3 回農薬デザイン研究会
- 殺菌剤を中心とした研究の動向(第 6 回国際農薬化学会議(1986, オタワ)の紹介)
- 阻害剤研究法, 日高弘義編, 共立出版, 1985, 528 ページ, 12, 000 円
- 抗生物質学 : 病害制御の化学と生物, 大岳望著, 養賢堂, 1985, 158 ページ, 2, 700 円
- 1984 環太平洋化学会議に出席して
- 第 5 回国際農薬化学会議の評価と提言
- A202 ジカルボキシイミドとフェニルピロールの抗菌作用とグリセロール異常蓄積
- B206 クロロイソニコチン酸誘導体の全身獲得抵抗性誘導活性に関する研究
- 種子発芽時に生成する抗菌性物質
- 過酸化カルシウム剤の土壌嫌気性菌 Clostridium 増殖抑制効果
- 植物病害虫の事典, 佐藤仁彦, 山下修一, 本間保男編, 朝倉書店, 2001 年, 495 ページ, 17, 000 円
- 植物の病原菌感染防御機構 : 化学物質によるその誘導昂進