N-p-フルオロフェニル-2, 3-ジクロロマレイミドのイネいもち病菌に及ぼす影響
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概要
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1) MK-23の植物病原菌に対する作用機作の解明のために, イネいもち病菌を用いて, 各種の検討を行なった.2) ライフサイクルの各生育ステージでは, 分生胞子発芽, 付着器形成を強く阻害した.一方, 菌糸伸長, 胞子形成に対する阻害作用は弱いことが認められた.3) 胞子発芽時に, チオール化合物(DTT, GSHなど)を添加することにより, MK-23による阻害作用が回復した.4) 菌糸および胞子の自家呼吸に対しては, 阻害作用を示さなかった.5) 各種代謝系(呼吸系, 蛋白合成系, 核酸合成系, 脂質合成系, 細胞壁合成系)において胞子の場合には, 0.2mM濃度でおのおの60∿80%の阻害作用を示し, チオール化合物を添加することによりその阻害作用が回復した.一方, 菌糸の場合には, いずれの代謝系に対しても阻害作用が弱かった.6) MK-23はL-システインと反応し, N-p-フルオロフェニル-2-(S-システイニル)-3-クロロマレイミドと推定される黄色物質を形成した.7) MK-23の作用性は, 菌糸と胞子で比較した場合, その作用性に大きな相違が認められた.8) MK-23は胞子発芽時のチオール酵素またはチオール化合物に対して作用することにより, 植物病原菌に対して抗菌作用を示すものと考えられる.
- 日本農薬学会の論文
- 1976-05-20
著者
-
山口 勇
理化学研究所横浜研究所
-
川田 晴郷
クミアイ化学
-
山口 勇
理研
-
見里 朝正
The Institute of Physical and Chemical Research
-
見里 朝正
理化学研究所
-
見里 朝正
理研
-
津田 正孝
三菱化成工業株式会社総合研究所, 生化研究所
-
中島 哲男
三菱化成工業株式会社総合研究所, 生化研究所
-
春日井 啓之
三菱化成工業株式会社総合研究所, 生化研究所
-
春日井 啓之
三菱化成工業株式会社総合研究所
-
中島 哲男
ゼネカ農技セ
-
津田 正孝
三菱化成工業株式会社総合研究所 生化研究所
-
山口 勇
理化学研究所
-
川田 晴郷
クミアイ化学工業株式会社生物科学研究所
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