ヨトウガ幼虫における 1-(3, 5-dichloro-2, 4-difluorophenyl)-3-(2, 6-difluorobenzoyl)urea (CME-134) のキチン合成阻害
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概要
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ヨトウガ終齢幼虫を供試して1-(3, 5-dichloro-2, 4-difluorophenyl)-3-(2, 6-difluorobenzoyl) urea (CME-134)およびdiflubenzuronを局所施用するとLD_<50>は, それぞれ0.016, 0.08μgであった.摂食法で, CME-134は, diflubenzuronに比べLD_<50>でほとんど差がなくLD_<100>で2倍強いことが認められた.^<14>C標識したグルコサミンを前駆物質として表皮および中腸の囲食膜への取込みからin vivoにおけるキチン合成阻害作用を両化合物を等量施用して検討した結果, CME-134は, diflubenzuronに比べより早くこの取込みを阻害した.In vitroでもCME-134は, 表皮および囲食膜のキチン合成を阻害したが, diflubenzuronに比べわずかに弱い阻害であった.以上の結果より, CME-134は, diflubenzuronと同じくその強力なキチン合成阻害力により殺虫力を示すことがわかった.ヨトウガ幼虫の中腸から得られたキチン合成酵素に及ぼすCME-134およびポリオキシンDの影響を調べた結果, ポリオキシンDはこの酵素を強く阻害するが, CME-134はこの酵素を1.0×10^<-4>Mの高い濃度でも阻害しない.
- 日本農薬学会の論文
- 1986-05-20
著者
-
松本 義明
東北大学農学部
-
深見 順一
理研
-
満井 喬
理研
-
深見 順一
The Institute of Physical and Chemical Research Wako
-
満井 喬
The Institute of Physical and Chemical Research
-
深見 順一
明治薬大
-
多田 満
The University of Tokyo
-
信沢 智恵子
The Institute of Physical and Chemical Research
-
深見 順一
The Institute Of Physical And Chemical Research
-
多田 満
Laboratory of Applied Entomology, Faculty of Agriculture, The University of Tokyo
-
松本 義明
Laboratory of Applied Entomology, Faculty of Agriculture, The University of Tokyo
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