プレコセン 2 のセジロウンカに対する三種の異なった作用
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概要
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抗幼若ホルモン活性物質として知られるプレコセン2のセジロウンカに対する生物活性を検討した.その結果, プレコセン2は, 処理時のウンカのステージ, 処理期間(取り込み量)を変えることにより1)速効的な殺虫活性, 2)早熟変態(prothetely, 抗幼若ホルモン活性), 3)過剰脱皮(metathetely, 幼若ホルモン様活性)という3種の異なった作用を引き起こすことが認められた.このうち, 早熟変態については幼若ホルモン様活性物質であるNC-170の同時処理により作用の発現が打ち消されたが, 天然のJH-1, JH-2, JH-3の同時処理では打ち消されなかった.一方, 抗幼若ホルモンであるプレコセン2が, なぜmetathetelyを誘起するのかは不明であるが, 今回の実験結果における"処理期間とmetathetely発現との関係", および, 過去, バッタ類で観察された同様の結果から推測すると, 虫体に取り込まれたプレコセン2の量が不十分であると, アラタ体を完全に不活性化できず, 逆に幼若ホルモンの生合成/分泌を一時的に促進する効果があるものと思われる.
- 日本農薬学会の論文
- 1995-02-20
著者
-
満井 喬
The Institute of Physical and Chemical Research
-
満井 喬
東京農業大学総合研究所
-
Mitsui T
The Institute Of Physical And Chemical Research
-
三宅 敏郎
Shiraoka Research Station Of Biological Science Nissan Chemical Industries Ltd.
-
Miyake T
Shiraoka Research Station Of Biological Science Nissan Chemical Industries Ltd.
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