市販洋生菓子の微生物汚染分布と微生物叢ならびに分離黄色ブドウ球菌のエンテロトキシン産生について

概要

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市販洋生菓子について微生物学的汚染調査,微生物叢ならびにシュークリームに接種した黄色ブドウ球菌の増殖およびエンテロトキシン産生における温度の影響について検討した。1)生菌数は10^2〜10^4CFU/gを中心に分布し,10^2CFU/gが29検体と多く,10^5CFU/g以上は16検体に認められた。大腸菌群は53%と高率に検出された。黄色ブドウ球菌は16%,セレウス菌は27%に認められた。2)製品にみられる主要微生物叢はLeuconostoc, Micrococcus, Yeastなどで,各製品において固有の微生物叢を示した。3)黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは,16菌株中10菌株が型別され,その内訳はA型が2株,B型が4株,C型が3株であった。4)シュークリームに接種した黄色ブドウ球菌の増殖およびエンテロトキシン産生と温度との関係は,25℃,35℃保存例で菌数が増加し,これにともないエンテロトキシンも検出された。しかし,10℃保存では72時間の保存期間中に菌数の増加ならびにエンテロトキシンは検出されなかった。
日本調理科学会の論文
1991-05-20