すしに関する利用意識と嗜好
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概要
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すしの食生活における位置づけを知る目的で、すしの利用状況について、全国を12地域に分割し、各地域に在住する3世代の女性を対象に、アンケートによる意識調査を行い、すしの利用に対する意識について以下のような結果が得られた。1)すしの利用状況をみると地域・年齢を問わず、夕食に自宅で家族と喫食する割合が約80%を占め、日常食、行事食、来客食などに利用されている。2)すしに対する意識は、地域・年齢を問わず平均評点4以上(5点評点法)で、すしに対する「好き」意識が高くなっている。また、年齢が高くなるに連れ「ごちそう」意識が強くなっているが、「好き」意識と同様、いずれの地域・年齢においても平均評点4以上と高い嗜好性を示した。3)すしの「好き」意識とすしめしの味付けの好みの関係を求めたところ、すしが好きなことと酸味を好むことには正の相関、塩味とは負の相関があった。4)すしを調達する場合には、東日本では出前に依存する率が高く、西日本では手作り度が高くなっている。また、喫食回数が多いほど手作り度が高く、にぎりずしをよく食べる地域ほど手作り度が低くなっている。5)持ち帰りずしの利用経験は、20歳代、40歳代では約88%であるが、60歳以上では約73%である。また、持ち帰りずしを利用する場合の種類はにぎりずしが約60%を占め、利用する理由は、手軽さが約54%を占めている。持ち帰りずしの月平均の喫食回数は約1回とすし全般の喫食回数(月平均2.4回)の約2分の1である。また、持ち帰りずしの購入金額は一回当たり700円前後ですし全般の購入金額(1,000円程度)の7割程度である。6)好まれるすしの種類は、北海道、東北、関東、東海地域でにぎりずしを好む傾向がみられ、近畿、中国、四国地域では関西風などのちらしずしを好んでいた。江戸前のにぎりずしとちらしずしを合算すると、北海道、東北、関東、東海地域で60%以上を占め、九州地域でも約50%回答されている。好まれるすしの種類を要素として12地域の類似性についてクラスター分析を行った結果、東九州と九州の類似性が示された。
- 日本調理科学会の論文
- 1990-11-20
著者
-
日比 喜子
滋賀県立短期大学
-
茂木 美智子
東横学園女子短期大学
-
赤羽 ひろ
関東学院女子短期大学
-
川染 節江
元香川県明善短期大学
-
川染 節江
香川県明善短期大学
-
茂木 美智子
東横短大
-
深井 康子
富山短大
-
品川 弘子
帝京短期大学
-
深井 康子
富山女子短期大学
-
品川 弘子
帝京短大
-
赤羽 ひろ
関東学院女短大
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