ヴィシソワーズスープの食味に及ぼす破砕操作の影響
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概要
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ヴィシソワーズスープ材料である煮熟馬鈴薯を、裏ごし1回(a)、裏ごし2回(b)、スピードカッター(c)の3種の方法で破砕した。3種の試料をまずピュレの状態で検鏡し、さらにスープモデルA,B,Cを調製した後、粘度測定、粘度分布測定、沈降状態の観察、官能検査を行い、次のような結果を得た。1. スープA,B,Cは、6℃、60℃において、非ニュートン流動を示した。スープAは、どの温度においてもスープB,Cよりも低いみかけの粘性率を示した。2. スープA,B,Cの流動曲線が得られ、降伏応力を持つ塑性流体であることが認められた。さらに流動方程式の定数が得られ、スープAはスープB,Cに比べ、いずれの値も低い傾向を示した。3. 検鏡結果より、ピュレa,b,cの細胞とデンプン粒破壊の程度が確認され、ピュレcにおいてその程度の大きいことがわかった。4. 粒度分布測定より、3つの破砕条件によって粒度分布の異なることが確認された。5. 沈降状態の観察より、スープAが沈殿しやすいことが明らかとなった。6. 官能検査結果より、スープAとCの間には識別可能な差が存在し、総合評価においては、Cが好まれた。
- 日本調理科学会の論文
- 1987-07-20
著者
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