スポンジ・パウンドの焼成過程における生地温度履歴と製品への影響(第3報) : バタースポンジとパウンドの官能検査と生地の顕微鏡観察
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概要
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同一材料配合のバタースポンジとパウンドのバター風味や他の項目を官能検査で比較し、同時に生地の各段階での顕微鏡観察をした結果。1.バター風味の強弱順位は順位法とシェッフェの一対比較法で同順序となり、しかもシェッフェの一対比較法によって全ての試料間に有意差が認められ、バター量が多いほど、また同一バター量ではバター起泡の方が卵起泡より確かにバター風味が強かった。2.口当たりと総合評価は共に同一傾向を示し、製法の違いは影響せず、バター量が多いほど口当たりは有意にしっとりし、総合評価でも有意に好まれた。3.きめは、卵起泡ではバター量が多いほど有意に細かくなるがバター起泡ではバター量による差は認められなかった。同一バター量ではバター起泡の方が卵起泡より有意にきめが揃わず粗いと判断された。4.ケーキ断面の黄色濃淡では、起泡材同一の試料ではバター量が多いほど有意に濃くなり、同一バター量ではバター起泡の方が卵起泡より有意に濃くなった。5.顕微鏡観察における気泡の状態やバター分散状態は卵起泡とバター起泡で大きく異なり、このことがケーキのきめ・バター風味・ケーキ断面の黄色濃淡などに何らかの影響を与えていることが示唆された。また、バター起泡の方が気泡の総体積は少ないものの非常に小さな気泡が数多くあったことから、この気泡の大きさや気泡の数の違いが前報でのパウンドの温度上昇遅延の一要因とも思え、今後研究を進めてゆきたい。
- 日本調理科学会の論文
- 1994-02-20
著者
-
渡辺 豊子
千里金蘭大
-
大喜多 祥子
大谷女子短期大学
-
山田 光江
大谷女子短期大学
-
山田 光江
日本調理科学会近畿支部 焼く分科会
-
渡辺 豊子
千里金蘭大学生活科学部
-
渡辺 豊子
大谷女子短期大学
-
大喜多 祥子
大阪大谷大学短期大学部生活創造学科
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