学会誌にみる官能検査の記載実態 : 調理科学及び日本家政学会誌の場合

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官能検査の研究への導入が多くなった現在,調理科学及び日本家政学会誌の官能検査記載文献を調べた結果,1.研究の中での位置づけは他手段との共用型が多く,検査用途は材料配合・調理法,添加物・代替品の調理晶への影響の検討が多く,採択手法は順位法,2点比較法,評点法が多かった。2.官能検査に用いられた試料は,米・飯類が最も多く,次いで出汁・スープ汁物であった。3.質問項目では,外観,味,総合が多く,その他テクスチャー関係に多くの表現が用いられていた。4.質間の型は,識別のみが最も少なく,次いで嗜好のみ,そして両方を用いた型は最も多かった。5.パネルは,10名〜20名前後で学生・教職員が多かったが,教職員は性・年齢は不明であった。6.追試の可能性の検討の結果,文献より設定した実験条件が明確に記載されていたのは,全体の2割程度であった。パネル人数・属性・時間関係の3点のみが記載されている文献数をみても3割となり,官能検査の実験条件については,記載すべき事柄への意識が低いと言わざるを得ない数値となった。以上,実験条件の明確化というのは,JISにも指摘があるように,官能検査の結果に影響する条件や,実施の段階で特に留意した事項を明記し,他の測定手段同様に追試可能なようにしておくということである。また,そのように扱ってこそ研究手段のひとつとしての官能検査といえるのであり,条件明記の不足がちを指摘せざるを得なかった。本研究の大要は,平成4年10月24日の日本家政学会関西支部第14回研究発表会(於京都女子大学)にて,発表したことを付記します。
1993-11-20

学会誌にみる官能検査の記載実態 : 調理科学及び日本家政学会誌の場合

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