米飯の品質および食味特性におよぼす各種塩類の影響

概要

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各種の塩類が米の炊飯および食味特性におよぼす影響について検討した。結果を要約すると以下の通りである。1.塩類添加の米澱粉の膨潤力・溶解度はともに無添加が一番高く、塩類を添加すると減少する傾向であった。2.各種の塩類添加の炊飯特性では、加熱吸水率およびヨード呈色度のいずれも無添加が最も高く、塩類添加によって減少する傾向を示した。3.米飯のクリープ曲線では6要素のフォークト体模型に対応させて解析できた。その結果、瞬間弾性率と定常粘性率において塩類添加は無添加に比べ高く、特にNaClが最も高い傾向を示した。塩添加により組織がしまって硬くなっていることが伺われたがNo.1食塩は無添加によりやや低い傾向を示した。また塩類添加炊飯米の回復歪は無添加より大きく、永久歪は小さく、いわゆる歯応えのある物性であると考えられた。4.官能評価では市販食塩と塩田並み食塩が他の塩類より好まれる傾向を示した。5.無機元素のX線微小分析の結果、生米では無機元素が外側に多く、炊飯すると米粒中の内部に移動していくことが認められた。
日本調理科学会の論文
1996-08-20