V 加熱劣化油の評価 : 加熱劣化油の分析値と毒性との関連性

概要

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本実験の目的は,先に提唱したP/AP値の意義を動物実験の知見との関連を示すことにより証明することである.大豆油はポテト,鶏肉ダンゴ,鯖肉片を各々につき,2kg,4kg,6kgを10,20, 30時間,180°Cでフライしながら加熱した.:試料地は,P- 10,P- 20,P-30,C-10,C-20,C-30,M-10,M-20,M-30とする.加熱により生成した極性部量(シリカゲル力ラムの吸着クロマトグラフィーにより測定)とP/AP値の間にはかなり良好な相関関係r=0.79(233 nm),r=0.72(280nm)が得られた.S.D.系ラット(7匹/群)を10%レベルの各試料油で35〜50日間飼育した.P-10〜P-30とC-10〜C-30で飼育したものは同様な成長遅延の傾向がみられた.一方,M-10,M-20で飼育したものは飼育の初期段階ではなく,M-30で飼育したもののみ,20日以上の飼育で多少の遅延があった. M-10, M-20を除くすべての飼育群は35日後,体重増加について対照群と有意差(P<0.05)を示した.P-10〜P-30のP/AP値は同じ試料油で飼育したラットの体重増加の減少との間にかなりよい相関を示した.r=-0.75(233 nm ),r=-0.72(280nm).肝臓重量/体重については対照群とP- 30,C- 20,M- 30との間に有意差(P<0.05)があった.種物のの影響を無視して,20 hr, 30hr加熱の試料油で飼育したラットの肝脂質の極性部の紫外吸収は対照群との間に,各々P<0.05,P<0.001の有意差を示した.極性部収量及びP/AP値と油脂の劣化との関連について,また最近,Billek等が検討した方法(GPCLC,CC)と,我々の提案した方法との比較について考察を行った.
近畿大学の論文
1981-03-15

V 加熱劣化油の評価 : 加熱劣化油の分析値と毒性との関連性

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