プロトン磁力計を用いた南極周回気球 (PPB) による磁場測定実験
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概要
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安定した風の期間に打ち上げた気球が2∿3週間で南極大陸を一周出来ることを利用した観測気球は南極周回気球(PPB)と名づけられ, 打ち上げ実験が極地研究所(NIPR), 宇宙科学研究所(ISAS)および共同研究者によって計画されてきた^<1)2)>。1987年に第28次南極観測隊は2機のPPBを試験的に打ち上げ, 技術的および気象学的データを得ることが出来た^<3)>。1990年には第30次南極観測隊による長期間の気球実験を行い, ほぼ一周の飛行を行った^<4)>。第32・31次南極観測隊では1990年12月から1991年にかけて3機のPPBによる科学観測実験が行われた^<5)>。そのうちの2機のPPBにプロトン磁力計を搭載し, 磁場の全磁力を高精度測定して磁気異常から地下の電磁気的構造の推定や磁気脈動などの磁場変動を検出する観測が実施された^<6)>。第1号機(PPB-1)は昭和基地から1990年12月25日に打ち上げられ, 南磁極の中央を通過して南極大陸を完全に周回した。PPB-1,2号機とも30秒毎の磁場の全磁力を1nTの感度でそれぞれ22日間の観測を行った。搭載されたプロトン磁力計は40,000∿70,000nTの広い測定磁場範囲を持ち, 自動的にチューニングする新しいタイプのものが開発された。磁場データは気球位置や高度の情報とともに衛星を介したアルゴス・システムで取得され, 磁気異常や磁気脈動などの変動現象を検出した。本論文では磁力計システム, 結果速報および磁場測定の将来計画について述べる。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
-
秋山 弘光
宇宙科学研究所
-
矢島 信之
宇宙科学研究所
-
遠山 文雄
東海大学工学部
-
藤井 良一
名古屋大学太陽地球環境研究所
-
江尻 全機
国立極地研究所
-
国分 征
東京大学理学部
-
矢島 信之
宇宙航空研究開発機構
-
遠山 文雄
東海大
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