低濃度dopeのリジノアラニン防止効果と紡糸特性
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概要
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大豆タンパク質紡糸繊維中には,大量のLALが存在するため,その生成防止を試み,紡糸特性の検討を行った. (1) タンパク質濃度の増加に伴い,dope調製中のLAL量が増加した,これは,タソパク質濃度そのものの影響によるだけでなく,粘度増加による摩擦熱上昇が,大ぎく関与していた. (2) LAL生成を抑制するために低濃度のタンパク質で調製されたdopeは,粘弾性値が低く,14%以下のdopeでは,50°C(従来法)での紡糸が困難であった.しかし,低温加工してdope温度を低下させることにより,紡糸性が改善された. (3) 14% dopeで得られた繊維中,加工温度が低下すると,LAL生成量が減少していた.さらに,NaOHの量の少ないものほどLAL量が少なく,水洗時の溶出も少なく,安定な繊維が得られた.このことより,dope調製には,できる限り,タンパク質濃度,NaOH濃度,そして温度を抑制することが,LAL生成防止に効果があった. (4) 14%タンパク質,0.1%NaOHのdopeが,15°C程度に加工することにより,可紡性を示したのは,とくに興味ある点であった.このdopeは,pH約8.5で,解膠が十分に進んでいないと考えられるため,Kelleyの提唱した紡糸メカニズムでは,説明しきれないからである.すなわち,少なくとも14%以下のdopeには,他の紡糸メカニズムの存在することが示された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
-
早川 功
九州大学大学院生物資源環境科学研究科食品製造工学研究室
-
早川 功
九州大学農学研究院
-
勝田 啓子
新潟大学教育学部
-
野村 男次
九州大学農学部, 食料化学工学科
-
勝田 啓子
九州大学農学部食糧化学工学科
-
野村 男次
九州大学農学部
-
早川 功
九州大学農学部食糧化学工学科
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