低分子化した酵母たんぱく質を紙のコーティングへ利用 : 酵母たんぱく質の利用について(1)
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概要
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紙のコーティング材料として酵母たんぱく質を用いるためにはそれを低分子化する必要がある. そこで酵母たんぱく質の低分子化条件を検討した. 現在コーティングに広く用いられているカゼインや大豆たんぱく質をみるに, カゼインは8.5%まで完全にニュートン流動としての性質を, 大豆たんぱく質は8.5%では非ニュートン流動性を示したが, その少し前までニュートン流動体として行動した. これに対して酵母たんぱく質は全く異なり, 5%まではその粘性は求められたが, それ以上ではゲル化して求めることができなかった. しかし, 15%酵母たんぱく質に1%苛性ソーダで85℃1時間処理を行なって低分子化してH_2O_2で漂白したもの, また10%酵母たんぱく質に1%苛性ソーダで60℃30分間処理し, H_2O_2で漂白したものは, カゼインや大豆たんぱく質にかなり似た粘性曲線を示した. そこでこのようにして作った酵母たんぱく質を紙のコーティングに用いてみた. その結果, 十分にこれがコーティングに用いられることが明らかになった. すなわち酵母たんぱく質は苛性ソーダで低分子化しH_2O_2で漂白すれば十分コーティング材となることが明らかとなった.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1974-06-25
著者
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