大豆タンパク質の紡糸特性とレオロジー的性質

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概要

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紡糸機構解明のために,大豆タンパク質の紡糸特性と,その粘弾性挙動を検討した. (1) 大豆タンパク質の紡糸特性は,dopeの組成に大きく左右されるが,タンパク質濃度20〜25%,アルカリ濃度1.2〜2.0%のdopeがとくに優れた可紡性を示した. (2) 20% dopeの動的弾性率(G)において,“時間・温度換算則”の適用性を認めた. (3) 優れた可紡性を示すdopeのGは,logω=-1.61〜0.80(sec-1)の範囲において,ゴム状流動領域を示し,Gの値は10〜103dyne/cm2であった,また,終端領域の勾配は約1で,カゼインのそれは約2であった. (4) 紡糸特性D→A→Eへの変化は,アルカリによる低分子化であること,また,大豆タンパク質は,カゼインより分子量分布の広いことが,粘弾性挙動により推定され,ゲル濾過によって確かめられた.
社団法人日本農芸化学会の論文

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