ステロイドが著効を呈したFabry病(angiokeratoma corporis diffusum)の初期の1例
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概要
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Fabry病(angiokeratoma corporis diffusum)は希な遺伝性の糖脂質代謝異常症である.本症例は16才の男子で,発熱,四肢末端の熱感を伴つた疼痛発作,発汗低下,皮膚の血管腫,角膜の混濁を認めた.尿検査では蛋白(±)の他には異常を認めず,腎機能も正常であつたが,腎生検組織像で尿細管は全く異常なく,糸球体にのみfoam cel1が存在し,初期のFabry病が強く疑われた.なお,細小血管にはフィブリノイドと思われるPAS強陽性物質の沈着がみられた.そこで,尿沈渣の薄層クロマトグラフィーを行ない,尿中へのceramide trihexosideの出現,増加,また,血清中のα-galactosidase活性の著減を証明してFabry病との診断を確定し得た.本例においては,一般にあまり有効でないとされているステロイドが著効を示しているが,このことは,腎臓にみられた血管病変との関連で注目される.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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森田 寛
東京大学医学部附属病院呼吸器内科
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柴田 整一
東京大学医学部第三内科
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小坂 樹徳
東京大学医学部第三内科
-
横内 正利
東京大学医学部第三内科
-
金沢 康徳
東京大学医学部第三内科
-
梶沼 宏
東京大学医学部第三内科
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金沢 一郎
東京大学医学部神経内科
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加納 いつ
東京大学医学部生化学教室
-
森田 寛
東京大学医学部第三内科
-
小坂 樹徳
東京大学医学部第3内科
-
柴田 整一
東京大学医学部中尾内科
-
森田 寛
東京大学医学部物療内科
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