肝硬変に併発し一過性に膵ラ島細胞膜抗体を証明しえたインスリン自己免疫症候群の1例
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概要
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症例はインスリン治療歴のない71才の女性.肝硬変と診断.ブドウ糖負荷試験では,血糖曲線は糖尿病型を示したが, immunoreactive insulinは異常高値を示し,主としてIgG, κ型に属する抗インスリン抗体を認めた.インスリン自己免疫症候群に合致していたが,抗体価が低く明らかな低血糖症状はみられなかつた.また同時期血清で膵ラ島細胞膜抗体を間接蛍光抗体法により証明しえた.これらは,ともに7カ月後には自然に消失した.以後臨床的にも生化学的にも再発は認められてはいない.両抗体とも同時期一過性に認められたのみであつたが,双方の関係が示唆され,インスリン自己免疫症候群の発症機構を探るうえで貴重な症例と考えられ報告する.
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