膠原病の診断における抗核因子検索 (螢光抗体法) の意義について
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概要
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SLEを始めとする種々の膠原病諸疾患62症例の血清中の抗核因子陽性率とそのstaining titerを螢光抗体間接法を用いて検討した. その結果SLEと強皮症の2疾患において陽性率がきわめて高く, そのstaining titerも全例32倍以上の高値を示すことを見出した. 一方, 近年ステロイド療法の進歩に伴なつてSLEの予後が著しく良好となり, 発病後10年近くを経過した現在, ステロイドの維持量を服用してほゞ正常の生活を営んでいる症例にも接しうるが, これら長年観察を続けているSLE諸症例の経過年数とstaining titerとの間には必ずしも正の相関が成立しないことが注目された. 螢光抗体間接法による抗核因子の検査はLE細胞検査よりも手技が簡単で, かつその判定も一目瞭然であり, 結果を定量的に表現できる. したがつて膠原病, とくにSLEあるいは強皮症の疑われる症例に遭遇した場合には必ず行なうべき臨床検査方法と思われる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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長沢 俊彦
杏林大内科
-
長沢 俊彦
東京大学医学部第三内科
-
柴田 整一
東京大学医学部第三内科
-
長沢 俊彦
東大中尾内科
-
長沢 俊彦
東京大学医学部中尾内科教室
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柴田 整一
東京大学医学部中尾内科
-
長沢 俊彦
東京大学医学部中尾内科
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