テオフィリンの血清尿酸値上昇作用の機序について

概要

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テオフィリンが血清尿酸値を上昇させるか否かを検討し, 更にその作用機序の解明を試み, 以下の結果を得た.1)当科外来通院中の患者36名, 健常者6名の計42名から血清を採取し, 血清尿酸値を比色法, ウリカーゼ-カタラーゼ法, ウリカーゼ法の3法にて測定し, 男性群, 女性群それぞれにおいて, テオフィリン服用者群と非服用者群の血清尿酸値を比較した.男性群ではテオフィリン服用者群は非服用者群に比べ, 有意に血清尿酸値の高値を示した(比色法:8.3±0.5mg/dl V.S 6.0±0.2mg/dl, ウリカーゼ-カタラーゼ法:6.4±0.5mg/dl V.S 4.3±0.3mg/dl, ウリカーゼ法:6.3±0.4mg/dl V.S 4.3±0.2mg/dl, p<0.01).一方, 女性群では, テオフィリン服用者群は非服用者群に比べ血清尿酸値の高値を示したが, 統計的には有意ではなかった.2)テオフィリンの血清尿酸値上昇作用の機序は, 尿酸クリアランスの抑制, HGPRTase活性の抑制ではなく, プリン体の細胞膜を通しての転送, あるいはプリン体の利用の抑制であることが示唆された.
1983-03-28