モルモット気管支喘息モデル : 抗体及び感作細胞の受身伝達による免疫学的検討

概要

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気管支喘息に即時型以外の発症パターンが存在し, それらの発症機序にIII型, IV型アレルギーの関与が示唆されているが, その確証は得られていない.今回, 気管支喘息の発症機序に, どのような免疫学的機序が関与しているかを解析するために, 受動感作による免疫実験モルモットモデルを作り実験を行った.その際のモルモットの呼吸生理を客観的に評価するために, 無麻酔下でモルモットの呼吸低抗及び flow pattern を測定観察できる装置を用いた.その結果, 下記のとおりの結果を得た.1) 特異的IgE抗体の受身伝達により, 即時型の喘息が発症した.2) 特異的IgG_2抗体の受身伝達では, III型アレルギー反応を起こし得なかった.3) 感作脾細胞の受身伝達ではIV型アレルギー反応を観察できたが, 直接的にも, 気道過敏性の面からも, 気管支喘息発症への関与を証明できなかった.4) 特異的IgG_2抗体は, 特異的IgE抗体による即時型喘息の発症を抑制した.5) IV型アレルギー反応と特異的IgE抗体による即時型反応との間に, 相互に及ぼし合う作用を証明し得なかった.
日本アレルギー学会の論文
1983-11-30