発酵凝固法により搾汁液から分離した緑葉蛋白質濃縮物のラットに対する栄養価
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概要
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ルーサンおよびイタリアンライグラスの搾汁液を1週間嫌気条件下に保つことにより凝集させた緑葉蛋白質濃縮物(LPC)の栄養価を,同じ搾汁液を直接あるいはpH調整後70°Cに加熱して得られたLPCの栄養価と比較した.ライグラスLPCの一部を凍結乾燥したほかは,凝集後,分離したLPCを70°Cで通風乾燥した.これらのLPCと添加アミノ酸を蛋白質源とする蛋白質含量10%の飼料を調製し,ラットに制限給与した.発酵凝固および通風乾燥のいずれもLPC蛋白質の消化率の低下をもたらした.すなわち,蛋白質の消化率は加熱凝固•凍結乾燥でもっとも高く,加熱凝固•通風乾燥,発酵凝固•凍結乾燥,発酵凝固•通風乾燥の順に低下した.メチオニンの添加は,すべてのLPCにおいて栄養価改善に有効であった.加熱凝固•凍結乾燥LPCはラットの生長に十分なリジンを含んでいたが,他のLPCでは不足し,メチオニンと共にリジンを添加することにより栄養価が改善された.加熱凝固LPCにおける有効リジン含量の低下は通風乾燥中に起こったのに対し,発酵凝固LPCでは発酵中に低下し,通風乾燥の影響はうけなかった.通風乾燥した場合,ライグラスLPCでは,凝固法による栄養価の差は消化率の差のみに帰結されたのに対し,ルーサンでは,発酵凝固LPC中に,それのみでは説明できないマイナス要因が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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