デキストラン鉄とグレプトフェロンによる子豚の貧血予防
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概要
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子豚の鉄欠之性貧血は通常デキストラン鉄1ml(鉄として100mgを含む)を3日齢前後に筋肉内注射することによって予防されてきた.しかし,100mgの鉄投与では貧血を完全に予防できず,追加投与が必要な場合もある.一方,グレプトフェロンは1mlに鉄200mgを含有する鉄剤なので,同じ鉄投与量でデキストラン鉄と同等の貧血予防効果がえられれば,省力化を計ることができる.本試験ではデキストラン鉄とグレプトフェロンの貧血予防効果を比較し,さらに貧血を予防するための最小必要量についても検討した.離乳食の給与が制限された条件では100mgの鉄投与は貧血を完全に予防するには不十分であった.グレプトフェロンとデキストラン鉄を1ml投与した場合,鉄含有量の差を反映して,グレプトフェロンで貧血予防効果が高かった.しかし,デキストラン鉄を2回投与して,鉄投与量を200mgにすればグレプトフェロンと同じ効果をえることができた.また,子豚に離乳食を給与して1ヵ月程度で離乳すれば,鉄投与量は200mgで十分であることが明らかになった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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