脱塩脱脂乳に塩類を添加した時の熱安定性の変化について

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概要

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脱脂乳の熱安定性に果す乳中塩類の役割を,より質的に解明するためにイオン交換膜による脱塩脱脂乳にKCl,CaCl2,K2HPO4,第3クエン酸カリウムを添加し,pH6.4-7.4の範囲で,130°Cにおける熱安定性変化を測定した.結果を要約すれば次の通りである.脱塩脱脂乳の熱安定性はpHの低下により,安定域から不良域へ急激に移行した.またその移行の生ずるpHはCaCl2を添加することにより,高pH側に移動した.しかし,このCaCl2を添加した脱塩脱脂乳にK2HPO4あるいは第3クエン酸カリウムを添加することにより,その移行の生ずるpHは低pH側に回復した.これらの現象は,下記(1)および(2)式に基づく塩平衡の変化によるものであると考察された.Ca(H2PO4)2+Ca++〓2CaHPO4+2H+…(1) 2C6H6O7Ca+Ca++〓(C6H5O7)2Ca3+2H+…(2)

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