情報活用能力の今日的意義とその育成 : 理科の教材開発にむけて
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概要
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近代社会はある意味で大量の「モノ」の生産・流通・消費に向けて発展してきたといえる。そうした社会を維持するために,「読み・書き・算盤」がミニマムーエッセンシャルズとして機能してきたことは言をまたない。この伝でいけば,現代社会は大量の情報という「コト」の生産・流通・消費に向けて発展しているともいえる。その意味で上記の3R'sは情報処理機器上の「入力・出力・処理」と読み替えていいのかもしれないが,そこに新たな視点と意義を求めなければ,今日の社会の変化に主体的に対応することなど,とうてい望めないであろう。例えば大量消費と生産に支えられた社会構造を変更しなければ,宇宙船「地球号」の進路を誤ることは明白であろう。この問題の解決に必要なシステムが高度情報化社会であり,それを支える能力こそ,批判的な視座を有する情報の「入力・出力・処理」能力つまり情報活用能力であると考える。いうまでもなくこの宇宙船には先進国も途上国も乗船しており,いずれの場合も情報活用能力の育成は今日の教育課題に他ならない。本稿では途上国における理科の教育実践を紹介し,それが情報活用能力の育成に果たす役割を批判的識字の視点から検討した。具体的には学校知と日常知の葛藤を挺子に,情報の収集と選択という側面から考察し,情報活用能力の育成が世界観の変更に果たす役割を明確にした。
- 日本教科教育学会の論文
- 1999-06-30
著者
-
岩崎 秀樹
広島大学国際協力研究科
-
岩崎 秀樹
広島大学大学院教育学研究科
-
馬場 卓也
広島大学大学院国際協力研究科
-
中村 聡
広島大学大学院国際協力研究科
-
中村 聡
広島大学国際協力研究科大学院
-
馬場 卓也
広島大学国際協力研究科大学院
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