体外衝撃波胆嚢胆石破砕療法の臨床的研究 : 破砕後の経過からみた結石消失機序と適応基準

概要

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体外衝撃波胆石破砕療法を行った145例を対象に破砕効果,結石消失機序を検討し,本法の適応について考察した。超音波検査およびCTスキャンにてコレステロール胆石と推定された胆石は腹部単純X線撮影で石灰化が幅3mm未満であれば破砕有効であり,超音波上,色素石と推定された胆石および結石内部の平均CT値が255HU以上の胆石は破砕無効であった。破砕後の胆石超音波所見は浮遊型,堆積型,塊状型に分類され,破砕720日後の累積消失率はそれぞれ87.8%, 35.5%, 19.5%であった。浮遊型の消失には胆嚢収縮率,胆嚢管径は無関係であったが,堆積型の消失には胆嚢収縮率,胆嚢管径が重要な因子であった。本法の適応決定には,総体積が3551.5mm^3以下でCTスキャンにて石灰化を認めないコレステロール胆石の場合,造影陽性胆嚢であれば胆嚢収縮率,胆嚢管径を重要視する必要はないが,腹部単純X線撮影およびCTスキャンにて石灰化を認めるコレステロール胆石では,胆嚢収縮率が良好で胆嚢管最大径が4.7mm以上のものを適応とすべきであると考えられた。
北里大学の論文
1992-02-29