クラスタ型プロセッサにおけるSMT実行(プロセッサ技術(1), 「ハイパフォーマンスコンピューティングとアーキテクチャの評価」に関する北海道ワークショップ(HOKKE-2005))

概要

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実行コアを複数の実行クラスタへ分割するクラスタ型アーキテクチャは、広い実行幅と高クロック動作の両立を実現する方法として注目されている。このアーキテクチャでは、命令間依存のクラスタ内局所化と、複数クラスタへの負荷分散を考慮した命令ステアリングが性能に大きな影響を及ぼす。本論文ではこのアーキテクチャでSimultaneous Multithreading(SMT)を行う際の検討を行う。まず、我々が既に提案した高性能なステアリングであるLocal Distance方式を用いた場合に、従来有効とされていたステアリングにスレッドの情報を用いた静的なクラスタ割り当てによる依存の局所化よりも、静的に分割を行わない実行幅共有の効果が大きいことが判明した。また、その場合について命令発行機構について検討し、スレッド間調停方式がステアリングの精度に影響を与えるため必要に応じてステアリング手法を修正する必要があることが判明した。そして、SMTの一利用方法である特定スレッドを優先する場合について、非優先スレッドのステアリング手法の変更により、優先スレッドの性能が向上することが判明した。
一般社団法人情報処理学会の論文
2005-03-07