次発話予測による音声認識結果の再順序付け

概要

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対話中の先行する発話から次発話を予測し、その情報を音声認識に利用することを試みている。音声認識候補中には、統語的、意味的に正しいがその文脈中では、不適切な候補が存在する場合がある。次発話予測によってこのような候補を排除し、認識精度を向上させることができる。また、次に生起し得る発話表現の可能な範囲を限定することによって、候補生成時の構文的複雑さの低減、不適切候補の生成の回避が可能となる。これによって、認識効率を向上させることができる。次発話予測手法として2つのアプローチが試みられている。1つは、プランや話題遷移モデルなどのあらかじめ定義された知識を用いるアプローチである。もう1つは、統計的手法を用いるアプローチである。これは、発話タイプ等の連鎖により文脈を記述し、この連鎖を統計的にモデル化し次発話タイプを予測する手法である。また、上記のような次発話予測手法を音声認識処理に適用されはじめている。我々は、発話タイプの連鎖だけでなく対話構造を考慮した統計的アプローチをとっている。この手法では、次発話の発話タイプが予測される。今回、発話タイプを利用した音声認識結果候補の再順序付けを行なった。この目的は、次発話予測手法によって予測された発話タイプ利用の効果を見積もることである。今回用いた音声認識結果候補の再順序付け手法では、まず、各認識結果候補にその発話表現に基づいて発話タイプを求める。その発話タイプと予測された発話タイプを照合し、各候補に点数付けする。次にこの点数によってソートし出力する。実験の結果、再順序付け前と比較して、認識精度が向上することを確認した。本稿では、発話タイプを利用した音声認識結果候補の再順序付け手法について述べる。さらに、実験により本手法の評価を行なった。その結果について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-09-04

次発話予測による音声認識結果の再順序付け

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