対話構造を考慮した次発話予測手法の検討
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概要
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音声認識結果には、統語的、意味的に正しいがその文脈中では、不適切な候補が存在する場合がある。このような候補を排除し、認識精度を向上させるためには文脈情報が必要である。また文脈情報、特に次にどのような発話が起こり易いかに関する情報を候補生成時に積極的に用いることにより処理の効率化を図ることができる。従来より次発話を予測する手法として、大別すると2つのアプローチが試みられている。1つは、プランや話題遷移モデルなどのあらかじめ定義された知識を用いるアプローチである。もう1つは、統計的手法を用いるアプローチである。これは、発話タイプ等の連鎖により文脈を記述し、この連鎖を統計的にモデル化し次発話タイプを予測する手法である。これらの先行研究において、次の問題点が指摘されている。1.質問、要求等の聞き手に働きかける発話に対する予測力が弱い2.問い返しを考慮したモデルを用いると予測精度が低下するこれは、対話は単なる発話の連鎖ではなくある種の構造を持っているが、それが適切に考慮されていないために生じている問題である考えられる。より高い精度で次発話を予測するためには、この構造を考慮する必要がある。我々は、この対話の構造を考慮した統計的な次発話予測手法の検討を行なっている。本稿では、次発話予測時における対話構造情報導入の効果に関する予備実験とその結果について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-03-06
著者
-
石崎 雅人
ATR音声翻訳通信研究所
-
森元 逞
ATR音声翻訳通信研究所
-
石崎 雅人
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科
-
森元 逞
福岡大学工学部
-
巖寺 俊哲
ATR音声翻通信研究所
-
巖寺 俊哲
Atr音声翻訳通信研究所
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