麦芽根による酢酸醗酵の促進
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概要
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麦芽根を培地に加えることにより, 酢酸醗酵の著しい促進が認められた.乳酸醗酵の場合には, 麦芽根の非耐熱性因子が有効であると報告されているが, 私共の場合には熱殺菌前に培地に添加しても, 熱水抽出物を用いても有効であった.この麦芽根抽出物は, 酵母エキスよりも有効であり又, その90%メタノール可溶区分(MWME) も同様に有効であった.このメタノール可溶区分について作用上の特徴を調べると, 細胞濃度当りの酸度を高める傾向があることが判明し, 代謝の流れを発育よりもむしろ酢酸生産の方向に変えて行く作用があることが推察された.MWMEのDowexによる予備的分画を試みたところ, 少くとも2つの有効区分が相乗的に働いていることが示された.この有効区分の分画はさらに続行中であるが, 麦芽根が非常に低廉であり異味異臭を持たないことから, これが酢酸醗酵への適用は有利であると考えられる.なお, 研究にはAcetobacter rancens を主として用いたが, A. aceti, Gluconobacter suboxydans でもほぼ同様の結果が与えられるので, 後者のデータは省略した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1971-06-25
著者
-
土方 康世
大阪大学工学部醗酵工学教室
-
奥村 一
大阪大学工学部醗酵工学教室
-
照井 堯造
大阪大学工学部醗酵工学教室
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土方 康世
大阪大学醗酵工学教室
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奥村 一
大阪大学醗酵工学教室
-
照井 堯造
大阪大学醗酵工学教室
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