子宮内胎児発育遅延児の出生早期脳波所見について
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概要
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先天異常や多胎を除いた子宮内胎児発育遅延児(IUGR児)32例に対して, 出生早期に脳波検査を施行し, IUGR児のプロフィールとその異常脳波所見の関係を新生児期合併症後にみられる回復期脳波異常と比較し, 胎内での脳発達障害と出生早期脳波異常所見について検討した. 未熟児・新生児の脳波では, 出生後脳機能抑制が軽微ながら遷延すると回復期異常として, Dysmature patternを認め, また短期間の強い抑制後には, Disorganized patternを認める. 対象の出生早期脳波所見は, 新生児期の脳機能抑制後に出現する回復期異常と同様の Dysmature patternが7例, Disorganized patternが5例, 正常所見が20例みられた. Dysmature patternの7例はいずれも重度IUGR児で, 臍帯動脈S/D比が異常高値を示し, 出生時小頭囲例であった. Disorganized patternの5例は, いずれも出生前のNST所見に異常がみられた早期産例であった. IUGR児の出生早期脳波所見は, 出生後の脳障害にみられる脳波異常と同様に, 胎内での脳発達障害を反映したものと考えられた. 出生後合併症による脳波異常は神経学的予後と相関し, 出生時小頭囲, 早期産IUGR児の神経学的予後が不良なことも考え合せると, IUGR 児の出生早期脳波所見は周産期管理の指標になりうると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1995-02-01
著者
-
森川 重彦
名古屋大
-
倉内 修
名古屋大学産婦人科学教室
-
板倉 敦夫
名古屋大学産婦人科学教室
-
水谷 栄彦
名古屋大学産婦人科学教室
-
友田 豊
名古屋大学産婦人科学教室
-
倉内 修
名古屋第二赤十字病院
-
松澤 克治
安城更生病院
-
松澤 克治
東海卵巣腫瘍研究会
-
水谷 栄彦
名古屋大学 医学部発育加齢医学講座
-
板倉 敦夫
名古屋大学 教育発達科学研究科
-
森川 重彦
名古屋大学医学部産婦人科学教室
-
友田 豊
名古屋大学医学部産婦人科
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